毎日見ている傷は、いつの間にか「景色」になっています。
2026/11/02
毎日見ている傷は、いつの間にか「景色」になっています。
売却専門の紙谷です。note で、家を売る前に迷いやすいところを一つずつ書いています。今回は、犬や猫と長く暮らした家を売るときの話です(猫の方も、話は同じです)。
査定の1社目には「ペットのことは言わなくていいですよ」。2社目には「床は全面張り替えですね」。同じ家なのに、言うことがまるで違う。足もとで寝ている犬を見ながら「言わないとダメですか?」とつぶやいてしまう。そこで止まってしまうのは、自然なことだと思います。
【知る前】
言えば安くなる。言わなければ後で揉める。この2つの間を、行ったり来たりする。
【知った後】
「言うか、言わないか」の前に、家に残っている跡を自分で探す。見つけた跡を「書く・拭く・相談する」の3つに分ける。迷っていた時間が、家を歩く時間に変わります。
内覧に来た買う方が気にするのは、飼っていたことより、今その家に残っているものです。床のひっかき傷、柱のかじり跡、玄関のにおい。言っても言わなくても、目と鼻に届きます。
引き渡した後の不具合に責任を負わない約束(免責)で売る場合でも、知っていて書かなかったことには、その約束が効きません。だから私は、売主さんが「言っておいたほうがいいかな」と感じたことは、買う方に伝えています。
歩くのは、日の光が入る昼間に5か所。
①床(ひっかき傷・シミ・ケージやトイレを置いていた跡)
②壁・クロス(爪とぎ・かじった角・家具の裏)
③建具(ドアの下・柱・ふすま・網戸)
④におい(玄関・トイレの場所・寝ていた部屋・カーテン・押し入れ)
⑤ベランダ・庭(排水口の毛・掘り跡・柵のかじり跡)
見つけた跡は、場所ごとに写真を1枚。メモ用なので、きれいに撮らなくて大丈夫です。売り出し用の写真は、あとで私が撮ります。
においだけは、自分の鼻では分かりにくい。毎日かいでいるにおいは「うちのにおい」になるからで、慣れてしまうのはあなたのせいではありません。しばらく来ていない身内に1回来てもらい、窓を開ける前に玄関から入ってもらう。「洗面所、ちょっとにおうかも」と言われたら、それも大事な1行です。来てもらう前に消臭剤を重ねると、別のにおいが混ざってかえって目立つことがあるので、そのままで。
分けるときに迷ったら「引っ越しの後も残るかどうか」。残るなら書くか相談する、消えるなら拭く、です。
「床は全面張り替え」と言われても、見積りは少し待ってください。私は、売る前のリフォームは基本的にお勧めしていません。買った方が自分の好みで直したいことも多く、先にお金をかけても、そのぶん高く売れるとは限らないからです。汚れや傷みがひどい所や、雨漏りのように暮らしに関わる所は、最低限だけ直すこともあります。跡を担当者に見せて、直して売るか書いて売るかを決めてから、直す所だけ見積りを取る。この順番です。
物件状況確認書に書く1行の文例、避けたい書き方まで、詳しくは note にまとめました。最後まで無料です。
プロフィールのリンクから読めます。
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