家は何か月で売れる?|大阪市の家で、延びる側かを3つで見分ける
2026/10/27
家族に「3月までに売れるの?」と聞かれて、「どのくらいで売れるんやろな」としか返せなかった。そんな夜に検索している方に向けて、この記事を書いています。
先に答えを3行で
- 準備から引渡しまで、合計4〜6か月が私の目安です。特に見通しが立ちにくいのは買主様を探す区間ですが、準備や契約後も延びることがあります。
- 大阪市の家でも、価格・書類・見せ方などによって期間は変わります。区の平均だけでは決まりません。
- 今日できるのは、引渡ししたい日を1行で書き、そこから6か月を引いた月に印を付けることです。
書いているのは、大阪市淀川区・新大阪で家の「売却」だけを扱っている株式会社ヒーローズプロパティの紙谷一徳です。この仕事を20年続けてきて、宅地建物取引士として今は売主様の側だけに立っています。「どのくらいで売れますか?」は、「いくらで売れますか?」の次によく聞かれる質問です。平均の数字ではなく、あなたの家で期間が延びそうな要因を確かめられるところまで、この記事で書きます。
読みながら「うちの期限だと間に合う?」と思ったら、公式LINEに一言どうぞ。売ると決める前でも大丈夫です。→ 公式LINEで相談する
目次
第1章:家は何か月で売れる?——答えを3つの区間に分けて持つ
▶ 子どもが寝たあとの検索
説明のための例で、Aさんという方を思い浮かべてください。41歳の会社員で、淀川区の3LDKのマンション(築18年)に、奥さんと小学6年生・2年生の子どもと暮らしています。長女の中学入学に合わせて吹田市へ住み替えたいので、引渡しは2027年3月末までにしたい。
夜11時、ソファで「家 売却 何か月」と打つと、出てくるのは「平均3〜6か月」ばかり。3か月なら間に合うけれど、6か月なら間に合わない。これでは家族の予定が組めませんよね。
▶ 3つの区間に分ける
「何か月?」の答えを1つの数字で持つから、迷うんです。私は次の3つに分けて考えています。
| 区間 | 中身 | 私の目安 | 延びる主な要因 |
|---|---|---|---|
| ① 準備 | 査定を頼む〜媒介契約(売却を任せる契約)・販売準備 | 2〜4週間 | 書類・権利関係・境界の確認 |
| ② 売り出し〜売買契約 | 売り出す〜買主様と売買契約 | 2〜3か月 | 買主探し・条件交渉 |
| ③ 契約〜引渡し | 売買契約〜決済・引渡し | 1〜1.5か月 | 融資・登記・双方の日程 |
3つを足すと、3か月半〜5か月半ほど。日程のずれに少し余裕を持たせて、合計4〜6か月を私の物差しにしています。私はこの表を「3区間の帯」と呼んでいます。
①は査定や書類準備の日程を組めますが、境界や権利関係の確認で延びることがあります。③も住宅ローン審査だけでなく、登記や返済書類、双方の引越し・決済日程などの調整が必要です。お金がいつ入るかの流れは、こちらに日付順で書いています → 家を売ったお金が入る日と手取り
特に②は、買主様が現れる日を誰にも約束できない区間です。ただし①と③にも不確定な要因があります。「何か月?」は、3区間それぞれで何が延びる原因になりそうかを確認する問いに変えてみてください。
では、大阪市の今の数字で、②はどう動いているのか。次の章で見ていきましょう。
第2章:大阪市の今の数字を見る——平均だけで売却期間は決まらない
▶ 2026年9月の大阪市の中古マンション
| 大阪市 中心6区 | 大阪市 18区(中心6区以外) | |
|---|---|---|
| 成約件数(前年同月比) | 181件(−30.1%) | 202件(−23.5%) |
| 新規登録(前年同月比) | 1,297件(+37.8%) | 1,014件(+3.3%) |
| 新規登録の平均価格 | 7,849万円 | 2,885万円 |
| 成約平均価格 | 6,046万円 | 2,897万円 |
※2026年9月・中古マンションの数字。出典は近畿レインズ・2026年10月号集計表(2・10・15ページ)です。中心6区は北・中央・西・浪速・天王寺・福島。大阪府全体の成約は747件で、前年同月比19.8%減です。マンションの集計を戸建ての期間にそのまま当てはめることはできません。
▶ 表の読み方(私の読み)
中心6区は、新規登録が4割近く増え、成約件数は約3割減っています。ただし新規登録と成約は別の物件群です。平均価格の差は、同じ家の値下げ幅ではありません。物件の広さ・築年などの構成も違い、この表だけでは売却期間が長くなったとも判断できません。
18区は、新規登録と成約の平均価格が近い数字です。しかし、平均が近いから早く売れるとは言えません。私ならこの表を市場全体の背景として見たうえで、条件が近い家の成約価格と販売期間、いま競合する物件を確かめます。
▶ 淀川区は18区側
私の事務所がある淀川区も、Aさんのマンションも18区側です。中心6区以外の区は、すべて18区側です。あなたの家の区も確かめてください。
とはいえ、区は自分では変えられません。次の章では、自分で確かめられる3つの印を見ていきます。
第3章:「延びる印3つ」を自分の家に当てて、早めに確認することを決める
▶ 印1【価格の印】売り出したい価格が、近くで「売れた値段」より上か
価格は②を左右する大きな要因の1つです。時期・広さ・築年・立地などが近い成約事例と比べて、希望価格が高めなら印を付けます。条件の違いに理由があるかも確かめてください。
売れた値段は、国の無料サイトで自分で写せます。やり方はこちらの記事で手順にしています → 売れた値段を自分で調べる方法
▶ 印2【紙の印】決済までに時間がかかる紙があるか
たとえば、相続の登記がまだ済んでいない。昔の抵当権(ローンの担保の記録)が消えていない。お隣との境界がはっきりしない。こうした状態です。
相続の家なら、遺産分割協議書(誰が相続するかを決めた書類)ができていれば、売り出しから売買契約までは進められます。ただし、売主様の権限や必要書類などの確認は必要です。相続登記は決済前に完了させる日程を基本に、個別に司法書士さんと調整します。抵当権抹消は、決済当日に返済・所有権移転と合わせて申請する場合もあります。古い抵当権などは事前の解決が必要になるため、事前完了する手続きと当日申請する手続きを分けて確かめてください。準備には数週間から数か月以上かかる場合もあります。どの紙が要るかの洗い出しは、こちらにまとめています → 売却で先に探す紙と任せられる紙
▶ 印3【見せ方の印】内覧できる日が限られる・写真が撮れる状態でない
住みながら売る、平日の夜しか案内できない、遠くの空き家で鍵の受け渡しが手間、などです。物が多くて部屋の写真が撮れない状態も、ここに入ります。
私は写真撮影・図面・掲載文・内覧の立ち会いを自分でしています。その立場で言うと、内覧の枠が週に1回しか取れない家は、それだけで②が延びやすくなります。土日の枠を増やすなど、希望者が見学しやすい日程を相談します。ただし、枠を増やした分だけ期間が短くなるとは限りません。
▶ ②を売主様が狭めないために
②は買主様を探し、条件を整えて売買契約に至る区間なので、入口が広いほど短くなりやすいです。私は囲い込み(売却を任された会社が、他の会社からの買主様を通さないこと)をしません。売り出した後は、他の会社からの問い合わせも報告書に書いてお伝えします。申込みが入っても、買主様の住宅ローンの事前審査が通るまでは、他の方のご案内を止めません。②で買主様の入口を狭めないための、私の決めごとです。
印を数えたら、「印の数」と「引渡ししたい月」の2つを公式LINEに送ってください。印の中身と必要な準備期間を、一緒に考えます。→ 公式LINEで相談する
印が分かると、不動産会社に聞きたいことも見えてきます。次の章で、よくある質問を4つ見ておきましょう。
第4章:よくある質問4問——最初の会話で聞くこと・言うこと
▶ Q1「『1か月もすれば売れますよ』と言われました。信じていいですか?」
根拠を1つだけ聞いてみてください。「近くで同じような家が、売り出しから何か月で決まりましたか?」。具体的な家の例で答えが返ってくれば、その見通しは参考になります。言葉だけなら、第3章の印で自分でも確かめておくと安心です。
▶ Q2「期限を伝えると、足元を見られて安くされませんか?」
不動産会社には伝えたほうが、売り出し価格と売り出す月を決めやすくなります。期限が分からないと、逆算ができないからです。買主様に期限をどこまで伝えるかは、また別の話。そこは担当者と相談して決めれば大丈夫です。
▶ Q3「年末に売り出すと延びますか?」
年末だから延びる、とは限りません。冬にも家を探している買主様はいます。新学期に合わせて年内に中古の家を決め、年明けにリフォームして春に住み始める方もいます。私もそのお手伝いをしたことがあります。「年末だから」で春まで待つと、3月や4月の期限には間に合わなくなることがあります。
▶ Q4「売り出して1か月、問い合わせが少ないです。もう遅れていますか?」
1か月で遅れとは決められません。ただし2〜3か月という目安を理由に、反響が乏しいまま待つ必要もありません。専任媒介契約なら、2週間に1回以上は不動産会社から報告を受けることになっています(近畿レインズの媒介契約制度の案内)。その報告で、問い合わせや閲覧の動きを見てください。価格を見直すかどうかの考え方は、3か月売れないときの記事で書いています → 3か月売れないときの見直し方
第5章:まとめ+次のアクション——期限から6か月を引いた月に印を付ける
▶ まとめ
- 合計4〜6か月:準備・売り出し〜売買契約・契約〜引渡しの3区間で見る
- どの区間も延び得る:買主探しに加え、準備・融資・登記・日程調整も確認する
- 延びる印3つ:価格・紙・見せ方。数だけで月数を決めず、各要因の内容と所要日数を確かめる
▶ 今日できること
引渡ししたい日を1行で書いてください。まず計画例として6か月を引いた月に印を付けます。これは開始期限の保証ではありません。印の数だけで期間を縮めず、書類や物件の事情によってはさらに早めます。
Aさんなら、3月末から6か月を引くと9月末。もう過ぎています。10月末から3月末までは約5か月。6か月の計画例に比べると、余裕が1か月少ない計算です。だからAさんの答えは2つ。「今週中に査定を頼む」と「印3を減らす」です。土日の内覧枠を確保できれば、見学しにくさを減らせます。ただし、それで6か月が4か月になるとは言えません。担当者と近い成約事例や準備日程を確認し、3月末に間に合わない場合の住まいと資金も考えておきます。値段を下げる前に、まず印を減らせないかを見てください。
▶ 1週間以内にすること
- 近くで売れた値段を3件写す(印1を確かめる)
- 家にある紙を探す(権利証・ローンの書類・測量図など。印2を確かめる)
- 家族と「延びたら、引越しの日と価格のどちらを先に動かすか」を一度だけ話す
期限から逆に数える表をもっと細かく見たい方は、noteに書いています → 引渡し期限から逆算するスケジュール
▶ 相談したくなったら
日付を書いて、印を数えて、家族と話す。ここまでは、この記事だけで進められます。そのうえで「うちの家だと、どこに余裕が必要?」と思ったら、公式LINEで声をかけてください。
送ってもらうのは「引渡ししたい月」と「延びる印の数」の2つで十分です。売るかどうか、まだ決める必要はありません。
相談には代表の私が2日以内を目安にお返事します。営業電話はしません。
▶ 次に読むなら
- 売った後、お金がいつ入るか(③の区間)を知りたい方へ → 家を売ったお金が入る日と手取り
- 印1の「売れた値段」を自分で写したい方へ → 売れた値段を自分で調べる方法
- 印2の「家にある紙」を洗い出したい方へ → 売却で先に探す紙と任せられる紙
おわりに
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
「どのくらいで売れますか?」に、誰も正確な月は答えられません。でも、それぞれの区間で延びる要因を知り、自分の家の準備と余裕を考えておけば、家族と予定を話せるようになります。それだけで、夜の検索はずいぶん短くなるはずです。
今夜は、引渡ししたい日を1行書くだけで十分です。その1行が、あなたとご家族が春を落ち着いて迎えるための、最初の印になりますように。












