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親が自宅で亡くなった大阪市の実家は事故物件?告知の線引きと確かめる3つ

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親が自宅で亡くなった大阪市の実家は事故物件?告知の線引きと確かめる3つ

親が自宅で亡くなった大阪市の実家は事故物件?告知の線引きと確かめる3つ

2026/09/26

親が自宅で亡くなった大阪市の実家は事故物件?告知の線引きと確かめる3つ

ひとりで暮らしていたお母様やお父様が、自宅で亡くなった。四十九日を終えて片付けに通いはじめたころ、「この家、売るときに言わなあかんのかな」という疑問がふっと浮かぶ。ネットには「事故物件」「価格が下がる」という言葉が並び、親戚からは「黙っといたら分からへん」と言われる。どちらに寄っても、胸がざわつきますよね。

この記事でお話しするのは3つです。国が決めた線引きと、そのうえで私が実際にどう伝えているか。告知書を書く前に、家族で確かめたい3つの事実。そして、告知書の欄に書くことと、書かなくてよい細かなこと。大阪市で売却専門の不動産会社をしている私が、順番にお伝えします。

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一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応を心がけており、お客様のお困りごとを解決に導く不動産売却を手がけています。丁寧なヒアリングを通じて、理想的なプランを大阪でご提案している会社です。

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目次

    第1章:「うちは事故物件?」と止まっている方へ——先に結論を知る

    第1章:「うちは事故物件?」と止まっている方へ——先に結論を知る

    この章では、いちばん気になっている「うちの場合、どうなるの?」の答えの方向を、先にお伝えします。長い記事なので、結論を手に持ってから読み進めてもらえたらうれしいです。

    ▶ この記事で分かること

    ・親が家で亡くなった家が、国の線引きでどこに入るのか(4行の線引きと4マス)

    ・国の線引きを知ったうえで、私が「先に伝えて売る」ことにしている理由

    ・家族で確かめておく3つの事実と、告知書の欄への書き方、仲介と買取の比べ方

    ▶ 片付けの帰り、電車の中で

    たとえば、こんな方を思い浮かべながら書いています。

    52歳のAさん。吹田市のマンションで家族と暮らしながら、大阪市東淀川区にあるお母様の家に、週末ごとに片付けに通っています。お母様は今年の6月、87歳で、お風呂で倒れているのを翌朝ヘルパーさんが見つけてくれました。警察とのやりとりは、奈良に住む弟さんが引き受けてくれたそうです。

    9月の土曜の夕方。阪急京都線の上新庄駅から乗った帰りの電車で、Aさんは1通のメールを読み返しています。問い合わせた買取業者からの「事故物件扱いでのご提示となります」という一文。昼間には、近所の方に「お風呂でやったんやてな」と声をかけられました。弟さんは電話で「黙っといたら分からへんって」と言います。

    「言わなあかんのですか?」「いくらで売れますか?」「騙されたくないんです」。検索窓に打ち込みたい言葉は、たぶんこのあたりだと思います。

    もし今、あなたが同じように迷っているなら、それはあなたが正直に売りたいと思っているからです。どうでもよければ、迷いません。その迷いは、ちゃんとした売り方を選ぼうとしている証拠なんですよね。

    ▶ 先に結論をお伝えします

    まず、国の線引きから。病気や老衰、お風呂での事故のような、日常の中での亡くなり方。これは家を売るときでも、原則として買主様に告げなくてよいことになっています。国土交通省のガイドラインに書かれていることで、「家で亡くなった=事故物件」ではありません。

    ただし、話が変わる場面が2つあります。1つは、長い間気づかれずに、特殊清掃(においや汚れを専門の業者が取り除く清掃)などが入った場合。もう1つは、買主様から聞かれた場合です。

    そのうえで、私自身のやり方もお伝えしておきます。私は、家の中で亡くなった方がいる場合、亡くなり方や見つかるまでの時間を問わず、売り出す前に告知内容を整え、購入を検討する方へ契約前にお伝えしています。

    理由はひとつです。買主様があとから知って、「知っていたら買わなかった」となること。それがいちばんの問題だと考えているからです。人の死の受け止め方は、人によって本当に違います。そして、気にされない方は、ちゃんと気にされません。

    だからこの記事のテーマは、「事実で線を引き、そのうえで先に伝える」。線引きを知ることは、黙るためではなく、何をどこまで伝えればいいかを決めるために使います。

    少しだけ数字もお伝えしておきます。警察庁の2024年の統計では、警察が取り扱った死体のうち、大阪府で自宅において亡くなったひとり暮らしの方は6,983人。東京に次いで全国で2番目に多い数です。全国の同じ統計では、死亡から発見まで0〜1日が28,756人で、76,020人の約37.8%です。経過日数別の集計による数字で、自宅で亡くなった方全体を数えたものではありません。あなたの家族に起きたことは、決して特別なことではありません。

    ▶ 最初に、私の立場を明かしておきます

    私たちは不動産の「売却」だけを扱う会社で、自社で家を買い取ることはしていません。仲介手数料をいただく立場なので、私たちにも利害はあります。その立場を明らかにしたうえで、仲介と買取それぞれの条件や手取りを比べてご提案します。

    売主様が買取を望まれたときや、買取のほうが売主様のためになるときは、高く買ってくれる買取業者を探します。仲介か買取かを、自分の都合で選ばなくていい。この立場から、できるだけ正直に書いていきます。

    では、その「国の線引き」とは具体的にどんなものなのか。次の章で、4行にまとめて一緒に見ていきましょう。

    第2章:国の線引きを4行で理解する

    第2章:国の線引きを4行で理解する

    この章では、国土交通省のガイドラインを、4行に縮めてお話しします。ネットで見かける「3年たったら言わなくていい」「2〜3割下がる」を、自分で見直せるようになるのがゴールです。

    ガイドラインの正式な名前は「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」。2021年10月に出たものです。それまでは、家で人が亡くなったことをどこまで伝えるかに、はっきりした物差しがありませんでした。会社によって言うことがバラバラで、売主様が振り回されやすかったんです。

    図:国の告知基準と当社の方針

    国の告知基準4行。自然死・日常の事故は原則告知不要、死亡に伴う特殊清掃等がある売買は個別判断、売買に一律の年数基準なし、聞かれたら事実を伝える。会社は家の中で亡くなった場合に事前に伝える方針

    ▶ 1行目:自然死と日常の事故は、原則として告げなくてよい

    老衰や持病による病死は、自然死として扱われます。日常生活の中での不慮の事故も同じ扱いです。たとえば階段からの転落、お風呂での溺死、食事中にのどを詰まらせる誤嚥(ごえん)。どれも、売るときに原則として買主様へ告げなくてよいとされています。

    Aさんのお母様の場合も、病死や日常生活の不慮の事故で、特殊清掃等が行われていなければ、この1行目に当たります。浴室で見つかったという場所だけで死因を推測せず、確認できた事実で判断します。

    ▶ 2行目:長く気づかれず、特殊清掃などが入ったら個別に判断する

    1行目のような亡くなり方でも、長い間気づかれなかったことなどに伴い、特殊清掃や大規模なリフォームが行われた場合は、自然死だから原則告知不要とは整理できません。売買では、買主様の判断への影響を、経過期間や周知性なども含めて個別に判断します。単なる模様替えや通常のリフォームとは分けて考えます。私がお手伝いする場合は、事前にお伝えします。

    ▶ 3行目:「3年」は賃貸の話。売買に一律の年数基準はない

    ここがいちばん誤解の多いところです。ガイドラインには「概ね3年」という言葉が出てきますが、これは賃貸で部屋を貸すときの話。家を売る場合には、「何年たったら言わなくてよい」という期限は決められていません。

    「3年待てば言わなくて済むから、それまで置いておこう」と考える方もいます。でも売る場合、「3年たてば必ず告げなくてよい」とは言えません。逆に「何年たっても必ず告知」という一律の決まりでもなく、経過期間などを含めて個別に判断します。そのあいだに固定資産税や空き家の管理の手間だけが積み重なっていく、というのが正直なところです。

    ▶ 4行目:聞かれたら、期間や死因に関係なく伝える

    1行目に入る家でも、買主様から「この家で亡くなった方はいますか?」と聞かれたら、事実を伝えます。何年前でも、どんな亡くなり方でも、です。また、世の中で大きく報じられた出来事のように、買主様が知っておくべき特別な事情があるときも告げる対象になります。

    「原則告げなくてよい」は「聞かれても言わなくてよい」ではありません。

    Aさんの弟さんの「黙っといたら分からへん」と、ガイドラインの「原則告げなくてよい」。似ているようで、中身はまったく違います。前者は、聞かれてもやり過ごすこと。後者は、聞かれたら答えることが前提になっています。

    ▶ そのうえで、私は先に伝えています

    ここからは、国の線引きではなく、私のやり方の話です。私は、家の中で亡くなった方がいる場合、1行目に入る家でも、売り出す前に告知内容を整え、購入を検討する方へ契約前にお伝えしています。

    Aさんが近所の方に「お風呂でやったんやてな」と声をかけられたように、近所の方は案外知っています。引っ越してきた買主様が、あいさつの立ち話でそれを聞いたらどうでしょう。「どうして先に言ってくれなかったのか」。そう思われた時点で、家そのものより、売った側への信頼が崩れてしまいます。

    人の死は、どんな形であってもデリケートなことです。同じ事実でも、「まったく気にならない」という方もいれば、「それなら別の家にしたい」という方もいます。どちらが正しいという話ではありません。だから、決めるのは買主様。私たちの仕事は、決めるための事実を先にそろえておくことだと考えています。

    先に伝えることだけで、売れないと決まるわけではありません。気にされない方は、気にされません。事情を知ったうえで「この家がいい」と言ってくれる方と契約できれば、売ったあとの認識の食い違いを減らせます。弟さんの「黙っといたら分からへん」への、私なりの答えです。

    ▶ これは「仲介会社の基準」だということ

    このガイドラインは、仲介をする不動産会社が「どこまで調べて、どこまで伝えるか」の基準です。売主様の責任がどこまであるかは、裁判などで個別に判断されるもので、ガイドラインで決まるわけではありません。

    だからこそ、「これは言うべきかな?」と迷う事実があったら、自分の中で黙って決めずに、仲介会社に全部話してください。話したうえで、どう伝えるかを一緒に決める。これがいちばん安全な進め方です。法律上の責任について詳しく知りたいときは、弁護士さんに相談してみてください。

    私たちは売却だけを扱っているので、賃貸の「3年」と売買をごちゃ混ぜにすることはありません。ネットの情報がどれだけ食い違っていても、ガイドライン本文に戻って確かめればいい。それだけで、判断はかなりすっきりします。

    では、何をどこまで伝えるかを決めるには、何を知っていればいいのか。次の章では、家族で確かめたい3つの事実をお話しします。

    第3章:告知書の前に、家族で確かめる3つの事実

    第3章:告知書の前に、家族で確かめる3つの事実

    この章では、線引きに当てはめる前に、家族で確かめておきたい3つの事実を整理します。覚え方は「どこで・いつ・何を」の3語です。読み終えたとき、「自分が何を知らないか」と「誰に何を聞けばいいか」がはっきりしているはずです。

    家を売るときには、告知書(物件状況等報告書。売主様が家の状態や過去の出来事を買主様に伝える書類)を書きます。この書類を書くのは、仲介会社ではなく売主様ご自身です。

    不動産会社が聞き取って書いてくれるもの、と思っていた方もいるかもしれません。書くのが自分だと分かったとたん、「母のことを、私はどこまで知っているんやろう」と手が止まる。それが自然な反応です。

    実際、いざ書こうとすると、分からないことが意外と多いんです。Aさんの場合も、警察の説明を聞いたのは弟さん。片付けの業者を手配したのはAさんですが、どこまで作業してもらったかを細かく覚えているわけではありません。相続した家では、事実が家族の中でバラバラに散らばっていることがとても多いです。

    先に伝えるにしても、伝える中身が不確かなままでは、買主様にかえって不安を残します。正確に伝えるための下準備が、この3つです。

    ▶ 事実1:どこで亡くなったか

    家の中で亡くなったのか、倒れたあと救急車で運ばれて、搬送先の病院で亡くなったのか。ここで線引きの前提が変わります。ガイドラインは「その家の中で起きた死」を対象にしていて、搬送先の病院で亡くなった場合は対象に入っていません。

    ただ、病院で亡くなった場合も、私は「どんな亡くなり方だったか」を見ています。ここは第4章のマス③でくわしくお話しします。

    確かめる紙は、死亡診断書か死体検案書(医師が亡くなった場所や死因などを書く書類)の写しです。死亡届と同じ用紙になっているので、手続きのときにコピーを取っていないか、家族の手元を探してみてください。

    ▶ 事実2:いつ見つかったか

    亡くなってから見つかるまで、おおよそどれくらいだったか。「その日のうち」「翌朝」「数日後」くらいの目安で大丈夫です。

    聞く相手は、見つけてくれた人(ヘルパーさん、ケアマネジャーさん、近所の方など)や、警察の説明を聞いた家族です。Aさんなら、弟さんに聞くのがいちばん早いですね。死体検案書に書かれている内容も手がかりになります。

    ▶ 事実3:清掃で何をしたか

    片付けのときに、ふつうの遺品整理だけをしたのか。それとも特殊清掃や、床の張り替えのような工事をしたのか。ここが2行目に当たるかどうかの分かれ目です。

    確かめる紙は、業者の見積書、作業報告書、領収書の3つ。家族のだれかが保管していないか、メールで届いていないかを探してみてください。見つからなければ、業者に作業内容を問い合わせれば教えてもらえることもあります。これは買主様に見せるためではなく、売主様ご自身が事実を正確に知っておくための紙です。

    ▶ きょうだいに送る3行の連絡文

    事実が家族の中で散らばっているなら、まずは聞いてみることからです。重たい話なので、切り出し方に悩みますよね。LINE やメールで、こんなふうに短く送るのがおすすめです。

    お母さんの家を売るかどうか考えるのに、3つだけ確かめたいことがあります。 ①亡くなったのは家の中だったか ②見つかったのは翌朝で合っているか ③片付けのとき、特殊清掃や床の工事はしていないか。 分かる範囲で大丈夫なので、手元に紙があったら写真を送ってください。

    亡くなったときの細かい様子まで、家族に語ってもらう必要はありません。知りたいのは「どこで」「いつごろ」「清掃で何をしたか」の3つだけ。思い出すのがつらい話を、全部聞き出さなくていいんです。

    3つの事実メモ。亡くなった場所と死因の区分、発見までの経過、死亡に伴う清掃・工事の内容と実施時期・範囲を確認する書き込み式の表

    ▶ 確かめた事実は、最後まで同じ内容で

    私たちのところでは、家の写真撮影も、販売用の資料づくりも、内覧の立ち会いも、すべて私が自分で行っています。だから、売主様と一緒に確かめた事実を、告知書から内覧での受け答えまで、同じ内容のまま通せます。

    担当が途中で入れ替わると、「言った・言わない」のずれが生まれやすいもの。事実をそろえておくことは、あとで買主様とのあいだに誤解を残さないための、いちばんの土台になります。

    3つの事実がそろったら、次はそれを線引きに当てはめていきます。次の章で「4マス」を使って、自分の家の位置を決めてみましょう。

    第4章:3つの事実を「線引きの4マス」に当てはめる

    第4章:3つの事実を「線引きの4マス」に当てはめる

    この章では、第3章で集めた3つの事実を「線引きの4マス」に入れて、自分の家がどの区分に当たるかを決めます。マスごとに、国の線引きと、私が実際にどう伝えているかを並べました。人に言われるのではなく、自分で判断できるようになるのが目標です。

    図:線引きの4マス

    線引きの4マス。マス①自然死・日常の事故で特殊清掃なし、マス②特殊清掃などあり、マス③対象外(搬送先の病院・取り壊し後の土地)、マス④自死や事件を2×2に並べ、国の線引きと私の伝え方を書いた図

    ▶ マス①:家の中で自然死・日常の事故、特殊清掃なし

    ひとり暮らしの親が、病気や老衰、お風呂での事故などで亡くなった。比較的早く見つかって、ふつうの遺品整理だけで片付いた。そんな家は、ここに入ることが多いはずです。

    国の線引きでは、原則として告げなくてよい区分です。聞かれたら伝えます。

    そのうえで私は、このマスの家でも、売り出す前に告知内容を整え、購入を検討する方へ契約前にお伝えしています。細かい様子までは話しません。「いつ、家のどこで亡くなったか」「特殊清掃は入っていないこと」を、短く伝えるだけです。

    ▶ マス②:家の中で亡くなり、特殊清掃などが入った

    自然死でも、長く気づかれなかったことなどに伴って特殊清掃や大規模な工事が行われた場合は、ここに入ります。国の基準では、売買は個別の取引ごとに告知の要否を判断します。一律の年数基準はなく、経過期間や周知性、買主様の判断への影響などを確認します。当社では、このマスも事前に伝える方針です。

    私は、特殊清掃に入ったかどうかに加え、確認できた実施時期と作業範囲もご説明します。告げるといっても、何もかもを話すわけではありません。何を伝えて何を伝えなくてよいかは、次の第5章でくわしくお話しします。

    ▶ マス③:ガイドラインの対象外(搬送先の病院・取り壊した後の土地)

    搬送先の病院で亡くなった場合や、家を取り壊した後の土地として売る場合は、ガイドラインの対象に入っていません。対象外というのは、「言わなくてよい」と決まったわけではありません。「この物差しでは決められないので、個別に考える」という意味です。

    搬送先の病院で亡くなった場合、私は亡くなり方で分けています。病気などで家で倒れ、病院に運ばれてから亡くなった。こういう場合は、細かくお伝えすることはしていません。

    ただ、家の中で自ら命を絶とうとした、マンションのバルコニーから飛び降りた、という場合は違います。病院に運ばれたあとに亡くなったとしても、告知事項としてお伝えしています。買主様があとから知ったときの受け止め方を考えると、先に伝えておくべき事情だと考えているからです。

    取り壊した後の土地は、ガイドラインの対象外です。どう扱うかは、事実を仲介会社に話したうえで、個別に相談して決めてください。

    ▶ マス④:自死や事件

    この記事では主題として扱いませんが、1つだけお伝えします。自死や事件があった家は、国の基準では取引判断への影響を個別に確認し、重要な影響を及ぼすと考えられる場合は告知が必要です。当社では事前にお伝えします。どう伝えるか、いつ売り出すかは、ご家族の気持ちにも深く関わることなので、ひとりで抱えずに、個別にご相談ください。詳しい事情を最初からすべて話していただく必要はありません。

    ▶ Aさんの家を当てはめてみると

    Aさんが弟さんに連絡してみると、お母様が倒れていたのは家のお風呂で、見つかったのは翌朝。片付けは遺品整理の業者にお願いしただけで、特殊清掃や床の工事はしていないことが、見積書と領収書で確かめられました。

    病死または日常生活の不慮の事故であったことも確認できたなら、Aさんの家はマス①。国の線引きでは、原則として告げなくてよい家です。そのうえで私がお手伝いするなら、「6月に浴室で亡くなり、翌朝見つかった。特殊清掃はしていない」ことを、告知内容を整え、購入を検討する方へ契約前に短くお伝えします。

    それでも、「事故物件扱い」というメールの一文とは、ずいぶん違う景色が見えてきますよね。伝えることと、事故物件として値段を下げることは、別の話です。

    ▶ よくある質問

    Q. 売る場合も「3年たてば言わなくてよい」のでは?
    A. 「概ね3年」は賃貸の基準で、売買には一律の年数基準がありません。マス②は経過期間などを含めて個別判断です。当社は事前に伝える方針で、年数だけを理由に告知を省くことはしていません。

    Q. 同じマンションの隣の部屋で人が亡くなりました。自分の部屋を売るときに伝えますか?
    A. 隣の部屋や、ふだん使わない共用部分での死は、原則として告げなくてよいとされています。ただし、聞かれた場合や、事件性・周知性・社会的影響等が特に高い場合は別です。分かる事実を仲介会社に話し、確認して伝えましょう。

    Q. 家を解体して土地で売れば、言わなくてよくなりますか?
    A. 取り壊した後の土地はガイドラインの対象外なので、「言わなくてよい」と決まっているわけではありません。個別に仲介会社と相談してください。

    「事故物件」という1語でひとまとめにすると、マス①の家まで、マス②と同じように扱われてしまいます。私たちは自社で買い取りません。だから、マス①の家は事実を先にお伝えしたうえで、ふつうの相続した実家として迷わず売り出せます。

    自分の家のマスが決まったら、いよいよ告知書です。次の章では、その欄に何を書いて、何を書かなくてよいのかを見ていきましょう。

    第5章:告知書の「人の死」の欄に、書くこと・書かなくてよいこと

    第5章:告知書の「人の死」の欄に、書くこと・書かなくてよいこと

    この章では、告知書の中にある「人の死」に関わる欄に、何を書くかを決めます。書式によっては「事件・事故など」という名前の欄になっています。マスごとに書き方が変わるので、自分のマスを思い浮かべながら読んでみてください。

    ▶ 告知書を書くのは売主様です

    最初に押さえておきたいのは、告知書を書くのは売主様ご自身だということ。ガイドラインでは、売主様に告知書等への記載を求めることで、通常の情報収集としての調査義務を果たしたものと扱われます。ただし、仲介会社に重大な過失がないことが前提です。告知がなくても、人の死があったことを疑う事情があれば、売主様への確認が必要です。書類を受け取れば何も確かめなくてよい、という意味ではありません。

    仲介会社は、「売主様が書いてくれたこと」を土台に買主様へ説明します。だからこそ、第3章で確かめた「どこで・いつ・何を」が、そのままこの欄の中身になるんです。

    ▶ マス①の家の書き方

    マス①の家は、国の線引きでは原則として告げなくてよい区分です。それでも私がお手伝いする場合は、この欄に事実を短く書いていただいています。第2章でお話しした、「あとから知って、知っていたら買わなかった」を起こさないためです。

    たとえば、こんな1〜2行です。

    ◯年◯月、自宅の浴室で亡くなりました(病死)。翌朝発見。特殊清掃は行っていません。

    病死か事故死かの区分は、死体検案書に書かれているとおりで大丈夫です。分からなければ、その部分は「不明」と書いてかまいません。これ以上の説明を書き足す必要はありません。

    ▶ マス②の家の書き方

    マス②の家は、事実をそのまま書きます。基本として確認するのは次の4つです。

    ・いつ(事案の発生時期。特殊清掃等が行われた場合は事案が発覚した時期)

    ・どこで(家の中のどの場所か)

    ・何が原因だったか(病死・事故死などの区分)

    ・特殊清掃などを行ったこと(当社では、確認できた実施時期・作業範囲も補足)

    特殊清掃を行った旨ははっきり書き、事案の発覚時期・場所・死因の区分とともに、契約前に説明します。当社では、確認できた清掃の実施時期・作業範囲も補足します。業者の作業報告書をそのままお見せする運用ではありませんが、報告書等で確かめた必要な事実は説明します。分からない点は、その旨を伝えます。

    ▶ どのマスでも、書かなくてよいこと

    先に伝えるといっても、何もかもを書くわけではありません。書かなくてよいことは、はっきり決まっています。

    書くこと書かなくてよいこと
    発生時期(特殊清掃等が行われた場合は発覚時期)亡くなった方のお名前
    場所年齢
    死因(病死・事故死などの区分)家族構成
    特殊清掃等の有無。当社では実施時期・範囲も補足具体的な亡くなり方
    ―見つかったときの様子

    お母様のお名前や、どんなふうに見つかったかまで書く必要はありません。「親の最期を、知らない人に詳しく話したくない」と思うのは、当たり前の気持ちです。ガイドラインでも、そこまでは求めていません。

    ▶ 分からないところは「分からない」と書いていい

    第3章で確かめても、はっきりしないことが残る場合もあります。そういうときは、推測で埋めずに「不明」と書いて大丈夫です。告知書全体の書き方や「不明」の使い方は、契約の前に売主様が書く2枚についての note にまとめています → 契約の前に売主が書く2枚。告知書と付帯設備表は「不明」と書いていい

    ▶ 内覧で聞かれたら、告知書と同じ内容で

    内覧(購入を考えている方が家を見に来ること)の場で、買主様から「ここで亡くなった方は?」と聞かれることがあります。そのときは、告知書に書いた内容と同じことを、同じ言葉で答えます。

    書面と口頭で中身がずれると、それだけで信頼が崩れてしまいます。内覧には私が立ち会うので、答え方もあらかじめ一緒に決めておけます。売主様がその場で言葉に詰まらなくていいように、準備しておきましょう。

    ▶ 免責で売っても、知りながら告げなかった事実には注意が必要

    私たちが売るときは、基本的に「売主様は引き渡した後の不具合の責任を負わない」という特約(免責)をつけて販売します。ただ、これは「引き渡したら知りません」という意味ではありません。

    売主様が知りながら買主様に告げなかった事実については、免責特約があっても責任を免れないことがあります。単に告知書の記載がないというだけで決まるものではなく、実際に何を伝えたかや契約内容も関わります。だから私たちは、告知書を売主様と一緒に、1行ずつ確かめながら書いています。

    20年この仕事をしてきて、家で亡くなった方の家を売ったことも何度かあります。後からもめるのは、たいてい「書くかどうか迷って、書かなかったこと」でした。迷ったら、書いて先に伝える。私はそちらを選んでいます。

    欄の書き方が決まったら、最後は「どう売るか」です。次の章では、仲介と買取、清掃のタイミングを比べていきます。

    第6章:仲介か、買取業者を探すか、清掃を先にするか

    第6章:仲介か、買取業者を探すか、清掃を先にするか

    この章では、「事故物件扱いです」と出された提示額を、物差しを持って見直せるようにします。売り方は1つではないので、マスごとに比べ方を整理しておきましょう。

    ▶ マス①の家は、ふつうの相続した実家として考える

    マス①の家は、事実を先にお伝えしたうえで売り出します。ふつうの相続した実家と同じように、仲介(不動産会社が買主様を探して売ること)で大丈夫です。もちろん、立地や建物の状態で売れ方は変わります。それでも、「家で亡くなったから」という理由だけで、最初から買取に回す必要はありません。

    先に伝えると買い手が減るのでは、と心配になるかもしれません。でも、気にされない方は気にされません。立地や間取りが合えば、事情を知ったうえで前向きに検討してくださる方はいます。

    相続した実家を売るときの全体の流れや、仲介と買取の違いは、それぞれ別の記事にまとめています。

    ・仲介と買取の違い → 不動産売却で大阪府に最適な仲介と買取の違いと選び方徹底比較

    ▶ マス②の家は、仲介と買取を並べて比べる

    マス②の家は、告げたうえで仲介で売り出す方法と、早さを優先して買取業者に売る方法を比べます。買取(不動産会社が直接買い取ること)は、条件が合えば早く進みやすい一方、価格は仲介より低くなりやすい。どちらが合うかは、ご家族が何を優先したいかで変わります。

    ネットでは「2〜3割下がる」という数字をよく見かけますが、私が調べた限り、根拠となる出典は見つかりませんでした。なので、この記事では下がり幅の数字は書きません。どれくらいの価格になるかは、その家ごとに査定で確かめていくしかない、というのが正直なところです。

    ▶ 「事故物件扱い」の提示額を見直す3つの物差し

    買取業者から金額が届いたら、次の3つで見直してみてください。

    1. その金額の根拠は、告知の中身か、「事故物件」という言葉か:どのマスに当たるかを確かめたうえでの金額なのか。「家で亡くなった」だけで一律に下げていないか

    2. 仲介で売り出した場合の見込みはいくらか:比べる相手がないと、提示額が高いのか低いのか判断できません。仲介での査定も並べてみましょう

    3. 手取りと期限:相続した空き家を売ったときの3,000万円特別控除(条件を満たすと、売却の利益から最大3,000万円を差し引ける制度)は、2027年12月31日までの売却が対象です。それとは別に、「亡くなった日から3年を過ぎる年の12月31日まで」という期限もあり、両方を満たす必要があります。なお、家屋と敷地の両方を相続・遺贈で取得した相続人が3人以上いる場合、控除の上限は1人2,000万円です。使えるかどうかの条件は細かいので、国税庁の案内を確認し、税理士さんや税務署に相談してみてください。控除の期限については、こちらの記事でも書いています → 不動産売却で大阪府の老人ホームに入った親の実家を3,000万円控除で現金化する実践ガイド

    Aさんの場合、マス①の家なのに「事故物件扱い」と言われていました。1つ目の物差しで、その金額の根拠がどこにあるのかを聞いてみるだけでも、話の前提が変わってくるはずです。

    ▶ 清掃は必要なら先に、リフォームは急がない

    特殊清掃が必要な状態なら、それは売り出す前に済ませておきます。一方で、壁紙を張り替える、水まわりを入れ替えるといった大きなリフォームは、先にしないほうがよいことが多いです。買主様が自分好みに直したいと考えることも多く、かけた費用が価格に乗りにくいからです。

    片付けや残置物(家に残った家具や荷物)の扱いについては、こちらの記事にまとめています → 大阪市の実家を不動産売却する際に残置物を先に処分すると損する3つの理由

    特殊清掃を行った家では、その旨に加え、事案の発覚時期・場所・死因の区分、確認できた清掃の実施時期・作業範囲を説明します。業者の報告書をそのままお見せする運用ではありませんが、必要な事実は書面にもまとめます。内覧で現在の状態を見てもらうことだけで、説明を済ませるわけではありません。

    ▶ 告げる家でも、買主様を絞らない

    私たちは、囲い込み(売却を任された物件を自社で抱え込み、他社からの購入希望を通さないこと)をしません。先にお伝えすることがある家でも、レインズ(不動産会社どうしで物件情報を共有する仕組み)に登録して、広く買主様を探します。

    伝えることがある家こそ、事情を理解したうえで「この家がいい」と言ってくれる1人に出会えるかどうかが大切です。そのためには、入口を狭くしないこと。それが売主様の手取りを守ることにもつながると、私は考えています。

    ここまでで、線引き、事実の確かめ方、告知書の書き方、売り方の比べ方がそろいました。最後の章で、今日からやることを整理しましょう。

    第7章:まとめ+次のアクション

    第7章:まとめ+次のアクション

    この章では、ここまでの内容を短くおさらいして、記事を閉じたあとにすることを3つの段階に分けてお伝えします。

    ▶ 3行でおさらい

    ・国の線引きでは、自然死や日常の事故は原則告げなくてよい。死亡に伴う特殊清掃等が入った場合の売買は個別判断で、一律の年数基準はない。聞かれた場合や特段の事情がある場合は確認できた事実を伝える

    ・そのうえで私は、家の中で亡くなった方がいる場合、形を問わず告知内容を整え、購入を検討する方へ契約前に伝えている。あとから知った買主様に「知っていたら買わなかった」と思わせないため

    ・「どこで・いつ・何を」の3つを家族で確かめ、4マスに入れて、告知書に書く中身と売り方を決める

    ▶ 今日できること

    まずは、きょうだいや家族に、第3章の3行の連絡文を送ってみてください。返事を急かす必要はありません。「聞いてもいいよ」と伝わるだけで、次に進みやすくなります。

    あわせて、清掃業者の見積書・作業報告書・領収書と、死亡診断書や死体検案書の写しがどこにあるかを確かめておきましょう。

    ▶ 1週間以内にすること

    集まった答えを「3つの事実メモ」に書き込み、4マスを使って仲介会社と区分を確認します。そのうえで、第5章の記入例を見ながら、告知書の欄の下書きを作ってみてください。告知書全体の書き方は、先ほどの note が参考になります → 契約の前に売主が書く2枚。告知書と付帯設備表は「不明」と書いていい

    売り出す前に、確かめておくと安心なことがあと2つあります。相続人全員の気持ちがそろっているか。相続登記(亡くなった方から相続人へ名義を移す手続き)がどこまで進んでいるか。

    ・きょうだいの同意のそろえ方 → きょうだいで相続した大阪市の実家、「全員の同意」の前に揃える4つの材料

    ・相続登記の進め方 → 不動産売却と大阪府相続登記の流れを安全に進める5つの実践手順

    ・区役所から空き家の通知が届いた場合 → 空き家の通知が届いた大阪市の実家、年内に何を決める?段階と4択

    ▶ 相談したくなったら

    ここまでを自分で進めてみて、「うちはどのマスか自信がない」「告知書の欄をどう書けばいいか迷う」。そう思ったら、公式LINE で気軽に声をかけてください。

    公式LINE(友だち追加)→ 公式LINEで相談する

    送っていただくのは、「亡くなった場所」「見つかるまでの経過」「清掃で何をしたか」の3つを出発点に、分かる範囲で大丈夫です。どのマスに入るか、買主様に何をどう伝えるかを一緒に確かめます。亡くなったときの詳しい様子をお聞きすることはありません。そこは先にお約束しておきます。

    ホームページ(heroes-property.jp)や、メール(info@heroes-property.co.jp)でも受け付けています。

    おわりに

    最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます。

    親が暮らした家で亡くなったという事実は、それだけで心に重くのしかかります。そのうえ「事故物件」という言葉を向けられたら、なおさらですよね。でも、この記事でお話ししたように、大事なのは言葉ではなく事実です。事実を確かめて、線引きに当てはめて、先に伝える。それができれば、必要以上に怖がることも、自分を責めることもありません。

    私は「買は情報、売は信頼」だと考えて、売却だけを仕事にしています。先に伝えることは、次に住む方への誠実さであり、売ったあとのあなたの安心でもあります。正直に売りたいと迷っているあなたの気持ちは、きっと次の買主様にも伝わります。

    お母様やお父様が暮らした家を、事実のまま、次の方へ。そのお手伝いができたら、これ以上うれしいことはありません。

    株式会社ヒーローズプロパティ

    一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応を心がけており、お客様のお困りごとを解決に導く不動産売却を手がけています。丁寧なヒアリングを通じて、理想的なプランを大阪でご提案している会社です。

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