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空き家の通知が届いた大阪市の実家、年内に何を決める?段階と4択

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空き家の通知が届いた大阪市の実家、年内に何を決める?段階と4択

空き家の通知が届いた大阪市の実家、年内に何を決める?段階と4択

2026/09/25

空き家の通知が届いた大阪市の実家、年内に何を決める?段階と4択

区役所から、空き家になった実家の管理についての封筒が届いた。開けてはみたものの、お願いなのか、もう指導されているのか、よく分からない。夜に「空き家 通知 届いた」と検索すると、「固定資産税が6倍」「強制解体」の文字ばかり。胸がざわざわしたまま、この記事にたどり着いた方もいるかもしれません。

でも、まず深呼吸を。手紙には段階があって、多くの場合、打てる手はまだたくさん残っています。この記事では、大阪市の空き家対策の流れに沿って、年内に何をどの順番で決めればいいかを一緒に整理していきます。

この記事で分かることは3つです。

・届いた手紙が「3段」のどこにあたるかを、区役所に確かめる方法

・手紙のことで固定資産税が上がるのは、「勧告」と「1月1日」がそろったとき、という条件

・直す・壊す・そのまま売る・買取業者に売るの「4択」と、12月31日から逆算した順番

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一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応を心がけており、お客様のお困りごとを解決に導く不動産売却を手がけています。丁寧なヒアリングを通じて、理想的なプランを大阪でご提案している会社です。

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目次

    第1章:空き家の手紙が届いても「まだ間に合う」と言える理由

    第1章:空き家の手紙が届いても「まだ間に合う」と言える理由

    封筒を見た瞬間の「もう遅いのか」という焦りを、いったん「今どこにいるか」という見通しに置き換える。この章はそのための章です。

    ▶ 封筒を開けた夜の、あの気持ち

    たとえば、こんな場面を想像してみてください。2023年の秋にお母様が亡くなって、淀川区の実家は空き家に。自分は西宮に住んでいて、実家に行けたのはこの夏に2回だけ。台風のあとに隣の方から「瓦がずれてるみたいですよ」と電話があり、申し訳ない気持ちでいたところに、区役所から封筒が届いた。同じ週には、買取業者のチラシまでポストに入っていた。

    「もう目をつけられたってことか?」「放っておいたら家を壊されるのか?」。阪急の帰りの電車でそんなことを考えてしまうのは、ごく自然なことです。ネットで「6倍」「強制解体」を読んだあとなら、なおさらでしょう。

    この記事では、この方を「西宮のAさん」と呼んで、章ごとに一緒に進めていきます。奈良に住む妹さんと2人で実家を相続した、という想定です。

    ▶ 大阪市は「いきなり」ではなく段階を踏む

    大阪市は、空き家への対応を段階的に強めていく方針を、指針としてはっきり決めています。流れは「情報提供・助言等 → 助言・指導 → 住宅用地特例の解除を伴う勧告」。お願いや情報提供から始まって、改善されなければ少しずつ強くなる、という順番です。

    ここで押さえたいのは、固定資産税の優遇(住宅用地特例)が外れるのは「勧告」を受けてから、ということ。勧告の前の段階なら、手紙を理由にこの優遇が外れることはありません。手紙が届いた=税金が上がる、ではないんです。

    ▶ 多くの家は、途中で解決している

    大阪市の2024年12月の協議会資料では、通報等から概ね3〜4年程度で、約8割の特定空家等が是正されていると報告されています。通知を受けた家すべての割合でも、待ってよい期間でもありませんが、対応によって改善した家は多くあります。大阪市の協議会資料で確認できます。あなたの家だけが特別に追い込まれているのではありません。

    特定空家等とは、放っておくと危ない状態だと市が判断した空き家のこと。淀川区の第3期アクションプランでは、2025年12月末時点の未是正(指導中等)は37件とされています。同資料の82件は2021〜2024年度の是正件数で、未是正の件数とは区別が必要です。淀川区の計画には、相談窓口も掲載されています。私たちの事務所がある区の話なので、他人事とは思えません。

    20年この仕事をしてきて思うのは、慌てて動いたときほど遠回りになりやすい、ということです。解体業者に電話する前に、まずは「今どの段階か」を確かめるところから始めましょう。

    この記事では、その順番を「3段・1日・4択」という骨組みで整理します。3段=手紙の段階、1日=1月1日という税金の基準日、4択=家をどうするかの選択肢。この3つさえ押さえれば、年内にやることは自然と並びます。まずは「3段」から。手元の手紙がどこにあたるのか、確かめ方を次の章で見ていきましょう。

    第2章:届いた手紙は3段のどれ?区役所への電話1本で確かめる

    第2章:届いた手紙は3段のどれ?区役所への電話1本で確かめる

    「何を求められているのか分からない手紙」を、「今は◯段目で、◯を求められている」と言える状態に変える。やることは、手紙のメモ取りと電話1本だけです。

    ▶ 空き家対策の段階を1枚で見る

    まず、全体の流れを見てみましょう。

    空き家の手紙の段階図。管理不全空家等は指導・勧告、特定空家等は助言・指導・勧告・命令・代執行という通常の措置を区別。勧告は住宅用地特例の除外対象となり、1月1日時点で判定。緊急時には通常の順番を待たない対応もある

    「情報提供・助言等」「助言・指導」「勧告」という整理が、この記事で扱う3段です。ただし、管理不全空家等への法定措置は「指導・勧告」、特定空家等には「助言・指導・勧告」に加えて「命令・代執行」があります。管理不全空家等のまま、同じ区分で命令へ一直線に進むという意味ではありません。通知の区分と根拠を区役所に確認し、命令や代執行に関する通知なら弁護士さんにも相談してください。代執行とは、持ち主の代わりに市が工事などを行い、その費用を持ち主に請求することです。

    もう1つ知っておきたいのが、2023年12月13日に施行された法律の改正です。特定空家になる一歩手前の状態として、「管理不全空家等」という区分ができました。この管理不全空家等も、勧告を受けると住宅用地特例が外れます。「倒れそうなボロボロの家だけの話」ではなくなった、ということです。

    段階的な対応は、一定期間待ってよいという保証ではありません。危険性や通知の内容によって進み方は異なり、緊急安全措置や緊急代執行等が行われる場合もあります。まず回答期限を守り、瓦の落下など差し迫った危険は、年末の予定を待たず区役所や専門業者に相談してください。大阪市の指針改正案内でも、緊急安全措置や行政処分の取扱いが示されています。

    ▶ 手紙の5か所メモ

    ここからは手を動かす番です。届いた手紙から、次の5か所を書き写してください。スマホのメモでも、手紙そのものを写真に撮るのでも構いません。

    1. 日付(いつ出された手紙か)

    2. 差出人(区役所のどの課か、担当者名、電話番号)

    3. 題名(手紙の一番上に書いてある表題)

    4. 求められていること(草木の剪定、瓦の補修、ブロック塀の確認など)

    5. 回答期限(いつまでに連絡・報告してほしいと書いてあるか)

    私はこれを「手紙の5か所メモ」と呼んでいます。きょうだいに状況を伝えるときも、区役所に電話するときも、このメモがそのまま共通の材料になります。Aさんなら、奈良の妹さんに「なんか区役所から来てん」と電話で説明するより、5か所の写真を送るほうが話は早いはずです。

    ▶ 区役所に聞く3つ

    メモができたら、差出人の電話番号にかけて、次の3つを聞いてみてください。

    1. 「この手紙は、段階でいうとどれにあたりますか?」

    2. 「どこをどう直せば、改善したと見てもらえますか?」

    3. 「売却を考えている場合、そのことを伝えたら扱いは変わりますか?」

    正直に言うと、手紙の文言だけで段階を見分けるのは難しいです。題名や書き方が段階ごとにどう違うのか、私も確かなことは言えません。だからこそ、差出人の担当部署に聞くのが一番確実です。なお、売却予定を伝えるだけで、改善や報告の義務がなくなるわけではありません。

    電話をかけるのは気が重いかもしれません。でも、この手紙はもともと、持ち主に状況を知ってもらい、手を打ってもらうためのものです。こちらから連絡を入れること自体が、その一歩目になります。聞いた答えは、5か所メモの下に書き足しておくと後で役立ちます。

    ▶ 長屋の場合

    大阪市には長屋が多いですよね。もし実家が長屋で、隣の住戸にまだ人が住んでいるなら、少し話が変わります。大阪市の指針では、一部に人が住んでいる長屋は空き家の法律の対象外。建築基準法という別の法律で指導されることになっています。

    手紙の差出人が、区役所の空き家の窓口ではなく建築の部署になっていることもあるかもしれません。その場合も、やることは同じ。5か所メモを取って、差出人に聞きます。長屋の売り方には長屋ならではのコツがあるので、それも別の記事で書いています。

    段階が分かったら、次に気になるのはやっぱりお金のこと。「6倍」と言われる固定資産税が、本当に上がるのかどうか。次は「1日」、つまり1月1日の話です。

    第3章:固定資産税が上がるのは「勧告」と「1月1日」がそろったとき

    第3章:固定資産税が上がるのは「勧告」と「1月1日」がそろったとき

    Aさんがいちばん怖がっているのは、たぶんここです。「来年の春、税金の通知が6倍になって届くのでは」。その不安を、「今の段階なら来年度はこうなりそう」という見立てに変えていきます。条件は2つだけです。

    ▶ そもそも住宅用地特例って何?

    土地に家が建っていると、固定資産税が安くなる仕組みがあります。これが住宅用地特例です。住宅1戸につき200㎡以下の小規模住宅用地の部分は、土地の固定資産税の計算のもとになる金額(課税標準)が6分の1になります。建物の税金まで6分の1になる制度ではありません。

    ネットでよく見る「6倍」は、この6分の1の優遇が外れたら、という話から来ています。ただ、実際にいくら増えるかは物件ごとに違います。負担調整(急に税金が跳ね上がらないようにする仕組み)などが絡むからです。私は「6倍」と決めつけて不安をあおる書き方はしたくありません。実際の金額は、市税事務所で試算してもらうのが確実です。

    ▶ 外れるのは「勧告」+「1月1日」

    では、どんなときに特例が外れるのか。条件はこの2つです。

    ・勧告を受けている

    ・1月1日の時点で勧告が撤回されておらず、勧告の対象となっている

    2027年1月1日にこの状態なら、2027年度の固定資産税で住宅用地特例の対象から除かれます。1月1日は「賦課期日」といって、その年の4月から始まる年度の固定資産税を決める基準の日です。国土交通省の解説も参考になります。

    今が勧告前なら、今届いたその通知だけを理由に特例が外れるわけではありません。ただし、その後に勧告を受けるかどうかも含め、1月1日の状態で決まります。改善したら区役所へ報告し、勧告の撤回と市税事務所への連絡状況を確かめてください。1月1日までに撤回され、住宅用地の要件も満たしていれば特例の適用を受けられます。1月1日後の改善は、その年度の税額がすぐ戻るという意味ではありません。

    固定資産税の時系列。2026年中の勧告→2027年1月1日の賦課期日→2027年春の2027年度納税通知書。1月1日までの改善と勧告撤回、住宅用地の要件を確認

    ▶ 見落としやすい「年内の解体」

    ここで1つ、注意してほしいことがあります。「6倍になる前に」と慌てて年内に家を解体すると、1月1日の時点でその土地には住宅がありません。住宅用地特例は「住宅が建っている土地」への優遇です。勧告を受けていなくても、翌年度は特例の対象から外れる可能性があるんです。

    税金を上げたくなくて壊したのに、壊したせいで税金が上がる。これでは本末転倒です。物件ごとに扱いが違うこともあるので、解体を考えている方は、事前に市税事務所で確かめてください。「6倍」を売り文句にしない立場だからこそ、ここは声を大きくして言っておきたいところです。

    ▶ 納税通知書で「住宅用地」を確かめる

    手を動かす部分として、毎年春に届く固定資産税の納税通知書を出してみてください。中の課税明細書(土地や建物ごとの内訳)に、土地が「住宅用地」として扱われているか、面積は何㎡かが書いてあります。

    「今は特例がかかっている」「面積は◯㎡」と分かれば、市税事務所に試算を頼むときも話が早くなります。通知書が自分宛てに届いているなら、今のうちに見つけておきましょう。

    「3段」と「1日」が分かったら、残るは「4択」。家を直すのか、壊すのか、売るのか。次の章で4つを1枚に並べて比べます。

    第4章:直す・壊す・そのまま売る・買取業者に売る、4択を1枚で比べる

    第4章:直す・壊す・そのまま売る・買取業者に売る、4択を1枚で比べる

    解体業者の「壊しましょう」、買取業者の「そのままで買います」。どちらの言葉にも振り回されないよう、4つの選択肢を同じ物差しで比べられるようにします。表を1枚作るだけで、頭の中がかなり片づきますよ。

    ▶ なぜ「並べる」ことが大事なのか

    手紙が届いた家の持ち主には、いろんな人が声をかけてきます。解体業者に聞けば「壊しましょう」、買取業者のチラシには「そのままで買います」。それぞれの立場からすれば当然の答えです。ただ、1社の話だけ聞くと、どうしてもその方向に引っ張られてしまいます。

    私たちは売却専門の会社で、自社で家を買い取ることはしていません。収入の多くは仲介手数料です。一方で、買取のほうが売主様のためになる家なら、高く買ってくれる買取業者を探します。仲介手数料は売却価格や契約内容によって変わるため、私たちにも利害はあります。その立場を明らかにしたうえで、売主様の費用と手取りを同じ物差しで並べて考えます。

    ▶ 空き家の4択シート

    空き家の4択シート。直す・壊す・そのまま仲介・買取業者の4行を5つの物差しで並べ、右端に金額の書き込み欄をつけた表
    先に出るお金1月1日時点の家の状態3,000万円控除との関係価格・期間の見込み向いている家
    直す(最低限の補修・草木の手入れ)剪定・補修の費用家は残る。改善済みなら勧告の心配が減る補修だけでは要件にならない。売り方しだい売り出しまでの時間を稼げる傷みが部分的で、手入れで印象が変わる家
    壊す(解体して土地で売る)解体費(見積もりしだい)住宅のない土地になる(特例の対象外の可能性)使える可能性あり。ただ、控除のためだけに先に壊す必要はない場合も土地として売る。解体の日数がかかる建物の傷みが大きく、土地として買う人が多いエリア
    そのまま仲介で売る解体費は不要。測量・登記・片付け等は別途確認。手数料の支払時期は契約内容による建物を残して売る場合。1月1日の現況で判定要件を満たせば使える可能性あり(買主の解体・耐震改修でも)相場に近い価格を狙える。期間は物件しだい手入れすれば住める・直して住みたい人がいそうな家
    買取業者に売る解体費は不要な場合も。登記・測量等は条件確認買主の解体時期も確認。1月1日の現況で判定要件を満たせば使える可能性あり早く決まりやすいが、価格は仲介より低くなりやすい傷みが大きい、残置物が多い、とにかく早く手放したい家

    使い方は簡単です。査定を取ったら「そのまま仲介で売る」「買取業者に売る」の行に金額を書き込みます。解体や補修の見積もりを取ったら、「直す」「壊す」の行に費用を書きます。すると、手元に残るお金の見込みと、年内にどこまで進められそうかが横に並びます。

    Aさんの場合なら、まず埋まるのは「直す」の行でしょう。ずれた瓦の応急処置と庭木の剪定。ここは手紙で求められていることなので、どの道を選ぶにしても先に手を打つことになります。そのうえで、残りの3行を査定と見積もりで埋めていく。空欄が埋まるにつれて、妹さんと話すときの材料も増えていきます。

    ▶ 「控除のために先に壊す」は、もう要らないかもしれない

    ここはお金の話で、特に大事なところです。相続した空き家を売ったときに使える「3,000万円の特別控除」があります。売って出た利益から、最大3,000万円を差し引ける税金の特例です。以前は、家を耐震改修するか解体してから売らないと使えない、というイメージが強くありました。

    ところが2024年1月1日以降の売却なら、買主が売却の翌年2月15日までに耐震改修か解体をする場合も対象です。控除のためだけに先に壊す必要がないケースがある、ということです。「とりあえず更地に」と焦る前に、知っておいてほしい話です。

    主な要件は、次のとおりです。

    ・1981年(昭和56年)5月31日以前に建てられた家であること

    ・マンションなどの区分所有ではないこと

    ・相続の直前に、亡くなった方が1人で住んでいたこと

    ・売却代金が1億円以下であること

    2024年以降の譲渡では、対象の家屋と敷地の両方を相続・遺贈で取得した相続人が3人以上の場合、控除の上限は1人につき2,000万円です。相続人全体の人数だけで決まるわけではありません。相続から譲渡まで貸付けや居住等に使っていないことなど、ほかの要件もあります。国税庁No.3306で確認してください。

    そして期限。「相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」の売却が対象です。たとえば2023年中に相続した実家なら、期限は2026年12月31日。今年の年末です。Aさんのお母様は2023年秋に亡くなっているので、まさにこの年末が期限にあたります。控除の期限については、こちらの記事で詳しく書いています → 不動産売却で大阪府の老人ホームに入った親の実家を3,000万円控除で現金化する実践ガイド

    要件の細かい当てはめや税額は、税理士さんや税務署で確認してください。私の役目は、「この控除を使うなら、売却の段取りをこう組む」というところまでです。

    ▶ 補助制度は「あるかもしれない」で調べておく

    大阪市には、古い家の除却(取り壊し)に関する補助制度があります。ただ、今年度の条件や金額は私のほうでは確認できていないので、ここでは紹介だけにとどめます。「壊す」を考えている方は、区役所に「今年度、使える補助はありますか?」と聞いてみてください。

    「3段・1日・4択」の3つがそろいました。次は時間です。12月31日まで、あと3か月。次の章で、逆算の予定表を作ります。

    第5章:12月31日から逆算して、今月と来月にやることを決める

    第5章:12月31日から逆算して、今月と来月にやることを決める

    「年内に何とかしたい」というぼんやりした気持ちを、月ごとの予定に変えていきます。カレンダーを開きながら読んでもらえると、そのまま予定を書き込めますよ。

    ▶ 管理の改善と、譲渡期限を分けて目標を決める

    最初に、家の管理と税の期限を分けて考えます。

    1. 通知の回答期限を守り、危険箇所を改善して区役所に報告する。すでに勧告を受けている場合は、改善確認と撤回の手続きも相談する

    2. 売却方針を決めて早めに売り出す。ただし、今年が空き家控除の期限なら、売り出すだけでは足りず、期限内の譲渡から逆算する

    2023年に相続したAさんが控除を使うなら、2026年12月31日の譲渡期限が重要です。通常の売却準備では「年内に売り出す」を目標にできても、Aさんに同じ目標だけを勧めることはできません。

    譲渡所得の申告時期は原則として引渡しの日で、契約の効力発生日による申告も認められています。年内契約・翌年引渡しを考える場合は、控除の要件と譲渡日の扱いを税務署・税理士に事前確認してください。「契約さえすれば必ず間に合う」とは決めつけず、登記・買主の資金・決済日まで確認して段取りを組みます。国税庁の申告時期の解説も参考になります。

    期限内の成約や引渡しは約束できません。間に合わない見込みなら、控除なしの手取りも比較して、売り急ぐ損失と合わせて判断します。

    ▶ 12月31日からの逆算表

    年末からの逆算表。管理の改善と譲渡期限を分け、2023年相続で控除を使う場合は年内の売り出しだけでは足りないことを明記。2027年1月1日で2027年度の固定資産税を判定

    9月末〜10月上旬:情報を集めてそろえる

    ・手紙の5か所メモを、きょうだいに共有する

    ・区役所に電話して、3つを聞く(第2章)

    ・固定資産税の納税通知書を手元に出す

    ・登記事項証明書(法務局で取れる、土地と建物の持ち主などが載った書類)を取る

    ・遺産分割協議書(相続人で誰が何を相続するかを決めた書類)の控えをそろえる

    ・今年が控除期限なら、この時点で税務確認・査定・相続登記の相談を並行して始める

    10月:家の手当てと、査定

    ・伸びた草木の剪定、ずれた瓦の応急処置など、手紙で求められたことに手を打つ

    ・手を打ったら、写真を添えて区役所に報告する

    ・査定を2社以上から取って、4択シートの「そのまま仲介」「買取業者」の行を埋める。必要な補修・解体の見積もりも並行して取り、期限から逆算します

    11月:買主探しと、契約・決済の日程調整

    ・4択シートを見ながら、きょうだいで方針を決める

    ・不動産会社と媒介契約(売却を頼む契約)を結び、売り出す。控除期限が今年末なら11月を待たず着手し、契約・決済日を調整する

    12月:交渉・契約と、年内の締め

    ・買主が見つかれば、条件の交渉と売買契約へ。今年が控除期限なら、年内譲渡に向けて決済までの日程と税務上の譲渡日を確かめる

    ・区役所への報告は通知の回答期限を優先し、年末の窓口休業より前に改善確認・勧告撤回の状況を確かめる

    ・12月28日:大阪市のブロック塀等撤去補助(道路などに面した塀が対象)の今年度の申請締切。塀が気になる方は早めに(→ 「屋根が越境しています」と言われた大阪市の家|売る前に外せる・直せる・直せないに分ける )

    ・12月31日:2023年中に相続した実家の、空き家控除の譲渡期限。売り出し開始日ではない

    ・買主が解体・耐震改修する方式なら、2027年2月15日までの工事完了も必要。契約条件と確認書類の準備をあわせて進める

    ▶ 相続登記がまだでも、売り出しはできる

    「うちはまだ相続登記をしていないから、売れないのでは?」と心配な方もいるかもしれません。相続登記とは、亡くなった方から相続人へ家の名義を変える手続きです。Aさんも、遺産分割協議書は作ったものの、登記はまだでした。

    私たちの場合、相続登記の前でも、遺産分割協議書ができていれば、媒介契約 → 売り出し → 売買契約まで進められます。登記が済んでいないとできないのは、決済(代金を受け取って家を引き渡すこと)だけです。

    相続登記から抵当権抹消(住宅ローンの担保の登記を消す手続き)の完了までは、数週間から数か月かかることがあります。売り出しと並行して、司法書士さんに頼んでおくと安心です。詳しくはこちら → 不動産売却で大阪府の相続登記してない家を安全に現金化する手順と注意点

    ▶ 遠方に住んでいても、通い詰めなくていい

    西宮や奈良から大阪市内の実家へ、何度も通うのは大変ですよね。私たちの場合、写真撮影、図面や広告文などの資料作り、内覧の立ち会いまで、私自身が行います。売主様が毎週末に実家へ通わなくても、売り出しを進められる段取りが組めます。

    きょうだいで意見をそろえる進め方はこちら → きょうだいで相続した大阪市の実家、「全員の同意」の前に揃える4つの材料

    実家の片付けを先にやるべきかどうかはこちら → 大阪市の実家を不動産売却する際に残置物を先に処分すると損する3つの理由

    予定が決まったら、最後に残るのが「手紙のことを買主に言ったら、値切られるんじゃないか」という心配です。次の章で、伝え方と、買取業者の電話への答え方を見ていきます。

    第6章:手紙のことを買主にどう伝える?買取業者の電話にはどう答える?

    第6章:手紙のことを買主にどう伝える?買取業者の電話にはどう答える?

    「言ったら安くされるのでは」「電話してきた業者を信じていいのか」。売り出しが近づくと、このモヤモヤが大きくなります。この章では、それを「伝えて自分を守る」「2つの見込みを並べて決める」に変えていきます。

    ▶ 手紙のことは、直したことと一緒に書く

    家を売るときには、物件状況報告書(告知書)という書類に、家の状態や過去にあったことを書いて買主に渡します。区役所から手紙を受けたことも、その後に直したことも、ここに書いてください。

    「わざわざ書いたら不利になるんじゃ…」と思う気持ち、よく分かります。でも、売主様が知りながら買主に告げなかった事実については、免責特約を付けても責任を免れません。単に告知書の空欄だけで判断する話ではありませんが、後で説明の有無が争いにならないよう書面に残しておきます。「引渡し後の不具合には責任を負わない」という特約(免責特約)を付けていても、です。後から買主に知られてトラブルになるほうが、ずっと大きな負担になります。

    だから私は、「伝えないで売る」ではなく「直したことと一緒に伝える」ことをおすすめしています。たとえば、こんな1行です。

    2026年9月に区役所から草木と瓦の管理についてのお願いを受け、10月に剪定と瓦の補修を済ませています。

    「指導された家」ではなく、「指摘を受けて、ちゃんと手入れした家」として伝わります。第2章の5か所メモと、第5章で区役所に報告したときの写真が、そのままこの1行の裏付けになります。これは補修が済んだ場合の例です。実際の通知が勧告なら「お願い」と言い換えず、勧告日・内容・改善状況・撤回の有無を正確に記載します。

    書き方に迷ったら、担当の不動産会社と一緒に書けば大丈夫です。私たちも、告知書と付帯設備表は、売主様と一緒にできるだけ細かくチェックしています。付帯設備表とは、エアコンや給湯器など、家に付いている設備の状態を書いた表のことです。

    なお、手紙を受けたことで価格がどのくらい変わるかは、家の状態や直した内容によって違います。ここで数字は出せません。査定のときに、手紙のことも含めて見てもらってください。

    ▶ 買取業者の電話・チラシには「その場で決めない」

    手紙が届いたころに、買取業者からの電話やチラシが続くことがあります。「そのままで買います」「すぐ現金化できます」。疲れているときほど、この言葉は魅力的に聞こえるものです。

    買取業者に売ること自体は、悪い選択ではありません。家の傷みが大きいときや、とにかく早く手放したいときには、売主様のためになることもあります。ただ、その場で決めるのはやめておきましょう。

    答え方はシンプルで、「今は複数の見込みを比べているところなので、条件を書面でいただけますか」で十分です。そして、第4章の4択シートに「仲介の見込み」と「買取の見込み」を並べて、比べてから決めてください。

    ▶ 急ぐときほど、1社の買主だけで決めない

    年内に売り出したいとき、「早く決めたいから」と、1社が連れてくる買主だけで話を進めたくなるかもしれません。でも、私の考えは逆です。急ぐときほど、広く買主を探したほうがいい。

    仲介で売り出すときは、レインズに登録して、他社が抱えている買主にも紹介してもらえる状態にします。レインズとは、不動産会社どうしが物件情報を共有するネットワークです。これを他社に紹介させず、自社の買主だけで決めようとするのが「囲い込み」。私たちはこれをしません。見てくれる人が増えれば、それだけ早く、納得できる条件で決まる可能性も上がります。

    「囲い込みはしないですか?」と聞かれたら、私は「しません」と答えます。聞きにくいことですが、どの会社に頼む場合でも、遠慮せず確かめてください。囲い込みについては、こちらの記事で詳しく書いています → 不動産売却で大阪府の囲い込みを見抜き損せず売るための実践ポイント

    ここまでで、段階・税金・4択・予定・伝え方がそろいました。最後の章で、今日からやることを整理しましょう。

    第7章:まとめ+今日からやるべきこと

    第7章:まとめ+今日からやるべきこと

    ここまでの話を振り返り、記事を閉じたらすぐ手紙を手に取れるよう、やることを「今日」「1週間以内」に分けてお伝えします。

    ▶ 5行で振り返る

    1. 3段:手紙は「情報提供・助言等 → 助言・指導 → 勧告」の3段。どれかは区役所に聞くのが確実

    2. 1日:2027年1月1日の勧告と住宅の状態で2027年度分を判定。改善したら勧告撤回も確認し、慌てた解体にも注意

    3. 4択:直す・壊す・そのまま仲介・買取業者を、1枚のシートで同じ物差しで比べる

    4. 逆算:通知への対応を進め、控除が今年末期限なら売り出しだけでなく期限内の譲渡から逆算する

    5. 伝える:手紙のことは直した内容と一緒に告知書に書く。急ぐときほど広く買主を探す

    ▶ 今日できること

    ・手紙の5か所(日付・差出人・題名・求められていること・回答期限)をスマホで撮って、きょうだいに送る

    ・固定資産税の納税通知書を探して、課税明細書の「住宅用地」の欄に印をつけておく

    ▶ 1週間以内にすること

    ・区役所に電話して、「段階はどれか」「どう直せば改善と見てもらえるか」「売却予定を伝えたら扱いは変わるか」の3つを聞く

    ・4択シートを埋めるために、2社以上に査定を頼む(必要な補修・解体の見積もりも並行して確認します)

    ▶ 相談したくなったら

    ここまで自分で進めてみて、「うちの場合はどうなんだろう」と迷ったら、私たちの公式LINEに手紙の写真を送ってください。

    公式LINE(友だち追加)→ 公式LINEで相談する

    手紙の段階の見立てと、4択をどの順番で考えるかを一緒に整理します。税金の細かい計算や、命令・代執行のような法律の対応が必要な場合は、税理士さんや弁護士さんにおつなぎします。

    私は「買は情報、売は信頼」だと考えています。手紙が届いていても、売主様が自分で順番を決めるまで、私たちから急かすことはありません。

    おわりに

    最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

    区役所からの手紙は、受け取った瞬間は責められているように感じるかもしれません。でも見方を変えれば、「今のうちに手を打てますよ」という、まだ早い段階での知らせでもあります。

    お母様やお父様が暮らした家を、次に住む誰かへ気持ちよく手渡すために。まずは今夜、手紙の5か所を写真に撮るところから始めてみてください。その1枚が、年内の順番を決める最初の一歩になるはずです。

    株式会社ヒーローズプロパティ

    一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応を心がけており、お客様のお困りごとを解決に導く不動産売却を手がけています。丁寧なヒアリングを通じて、理想的なプランを大阪でご提案している会社です。

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