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販売活動の報告はどこを見る?|大阪市の家で5つの欄と聞き返す一言

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販売活動の報告はどこを見る?|大阪市の家で5つの欄と聞き返す一言

販売活動の報告はどこを見る?|大阪市の家で5つの欄と聞き返す一言

2026/11/01

販売活動の報告はどこを見る?|大阪市の家で5つの欄と聞き返す一言

「今回もお問い合わせはございませんでした。引き続き販売活動を行ってまいります。」

2週間ごとに届くこの1行を、もう3回読んだ。そんな方に向けて書きました。担当者は感じのいい人だし、疑うようなことを聞くのは気まずい。でも、本当に動いてくれているのかは分からない。そのモヤモヤを、届いた報告そのものを使ってほどいていきます。

先に答えを3行で

  1. 販売活動の報告は、「活動・数字・他社・内覧・次の手」の5つの欄が埋まっているかで読みます。
  2. 安心できるかは、ポータル・レインズ・自分の手帳の「3つの窓」と中身が合っているかで分かれます。
  3. 今日できるのは、直近の報告を1通だけ5つの欄に写して、空いた欄に印を付けることです。

書いているのは、大阪市淀川区・新大阪で家の「売却」だけを扱っている株式会社ヒーローズプロパティの紙谷一徳です。この仕事を20年続けてきて、宅地建物取引士として、今は売主様の側だけに立っています。売り出した家の写真も図面も掲載文も、内覧の立ち会いも私が自分でしていて、売主様への報告書も私が作ってお送りしています。この記事では、報告を「作る側」の目で、どこを見て、何を聞き返せばいいかをお話しします。

動画で見る|不動産売却の教科書 第4回(約15分)

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目次

    第1章:「今回もお問い合わせはございませんでした」——報告は、担当者の動きを確かめる大事な資料

    第1章:「今回もお問い合わせはございませんでした」——報告は、担当者の動きを確かめる大事な資料

    「引き続き販売活動を行ってまいります。」

    報告の最後に毎回並ぶこの1文を、そのまま信じていいのか。この章では、届く報告を「ただのお知らせ」から「確かめていい材料」に読み替えます。

    ▶ 日曜の夜10時、3回目の報告メール

    ここで、1人の売主様を思い浮かべてみます。この記事のための架空の例です。

    Aさんは46歳の会社員。淀川区の3LDKのマンション(築22年・約70㎡)を、9月の中旬に専任媒介で売り出しました。専任媒介というのは、1つの不動産会社にだけ売却をお願いする契約のことです。住み替え先の戸建ては契約済みで、来年3月に引渡しの予定。家族はまだ今のマンションで暮らしています。

    日曜の夜10時、長男が部屋に戻ったあとのリビングで、3回目の報告メールを開く。「今回もお問い合わせはございませんでした」。昼間、夫に「本当に動いてくれてるの?」と聞かれて、うまく答えられなかったことを思い出します。

    最初の面談で「どうやって売りますか?」と聞いたら、丁寧に答えてくれた。だから信じたい。でも「囲い込みはしないですか?」と今さら聞くのは失礼な気がする…。もし似たような夜を過ごしているなら、この記事はあなたのためのものです。

    ▶ 売却は、担当者の動きが見えない仕事

    私はこの仕事を「買は情報、売は信頼」と考えています。家を買う人は、ポータルサイトで物件を自分の目で比べられます。でも家を売る人は、担当者が何をしているかを直接は見られません。

    写真を撮り直したのか。掲載文を書き換えたのか。他の会社から電話があったとき、どう答えたのか。どれも売主様の目の届かないところで起きています。だからこそ、その動きを見える形にした「報告」は、売主様と担当者をつなぐ大事な紙なんです。

    報告をじっくり読むのは、失礼なことではありません。任せた仕事の中身を知りたいのは、売主様として当たり前のことですから。

    ▶ 報告の回数は法律で決まっている。項目は会社ごとに違う

    専任媒介なら、2週間に1回以上、販売活動の状況を売主様に報告する決まりです。専属専任媒介(自分で買主様を見つけても、その会社を通す契約)なら1週間に1回以上。どちらも宅地建物取引業法(34条の2)と国の標準媒介契約約款で定められています。

    レインズは、不動産会社どうしが売り物件の情報を共有する仕組みです。全国のレインズに新しく登録される売り物件の4割強が、この2つの契約で売り出されています。2025年の数字で、専任媒介が34.2%、専属専任が9.4%でした(不動産流通推進センター・2025年の活用状況)。

    ただ、報告に何をどう書くかの様式は、会社ごとに違います。表で送る会社もあれば、文章で送る会社もある。様式の違いそのものは、良し悪しの話ではありません。見るべきは、様式がどうであれ、中身を売主様が読み取れるかどうかです。

    ▶ 報告を書く人と、動く人が同じだと

    私の場合、写真も図面も掲載文も内覧の立ち会いも自分でしているので、報告を書く人と実際に動いている人が同じです。だから報告に「写真を入れ替えました」と書くときは、自分で撮り直した写真のことを書いています。

    これから媒介契約を結ぶ段階の方は、サインの前に報告の項目を聞いておく方法を、こちらの note に書いています → 媒介契約前に報告の項目を聞く(note)

    では、届いた報告のどこを見ればいいのか。次の章で、報告を5つの欄に分けてみます。

    第2章:報告を読むための「5つの欄」——活動・数字・他社・内覧・次の手

    第2章:報告を読むための「5つの欄」——活動・数字・他社・内覧・次の手

    表で届く報告にも、文章で届く報告にも、同じように当てはめられる物差しがあります。それが「5つの欄」です。法律で決まった必須項目や様式ではなく、報告を読むための整理方法として使います。これがあると、届いた報告のどこが埋まっていて、どこが空いているかを、自分の言葉で言えるようになります。

    ▶ 5つの欄の早見表

    欄確認したいこと空いていたら分からないこと
    ①活動どこに掲載したか、写真や掲載文を変えたか担当者が2週間で何をしたか
    ②数字ポータルで見られた数、お気に入り、問い合わせ家に興味を持つ人がいるのか
    ③他社他の会社からの問い合わせ・内覧のご依頼と、その答え方他社のお客様にも家が届いているか
    ④内覧内覧の件数と、来た人の感想見に来た人が何を感じたか
    ⑤次の手次の報告までにすることこのまま同じことが続くのか

    報告の5つの欄:①活動・②数字・③他社・④内覧・⑤次の手に、〇・△・空欄の印を付ける

    ▶ ①活動:担当者が「何をしたか」

    ポータルサイトへの掲載、レインズへの登録、写真や掲載文の入れ替え。そうした、手を動かしたことが書かれる欄です。「引き続き販売活動を行います」は、これからの気持ちであって、した活動ではありません。

    ▶ ②数字:家に「どれだけ目が向いたか」

    ポータルの一覧で見られた数、詳しいページを開かれた数、お気に入りに入れられた数、問い合わせの数などです。閲覧回数は人数とは限らず、同じ人が何度も開く場合もあります。お気に入りも期間中の追加数か累計かを確認し、同じ期間・集計方法で比べます。問い合わせが0件でも、見られた数やお気に入りが動いていれば、家に目は向いています。

    ▶ ③他社:他の会社のお客様に届いているか

    他の不動産会社から「お客様に紹介したい」「内覧したい」と連絡があったか、それにどう答えたかの欄です。ここが、売主様が気にされる「囲い込み」を確かめる入口になります。囲い込みとは、売却を頼まれた物件を自社で抱え込み、他社の購入希望を通さないことです。

    ▶ ④内覧:見に来た人がいたか、何を感じたか

    内覧の件数と、来た人の感想です。住みながら売っている方なら、件数はご自身も分かっていることが多いはずです。分からないのは「何を感じたか」のほうですよね。

    ▶ ⑤次の手:次の2週間で何を変えるか

    次の報告までに担当者がすることです。写真を変える、掲載文の見出しを変える、と具体的に書いてあれば、次の報告で答え合わせができます。

    ▶ Aさんの報告を当てはめると

    Aさんの3回目の報告を5つの欄に当てはめると、埋まっているのは②数字の「問い合わせ0件」だけでした。①活動・③他社・④内覧・⑤次の手は空欄。担当者が手を抜いているかどうかは、この時点ではまだ分かりません。分かったのは「どこが見えていないか」です。

    ▶ 私の報告に入れているもの

    私の報告書は、SUUMO の数字を日ごとに並べた表が中心です。一覧で見られた数、詳しいページを開かれた数、お気に入り、資料請求の数。これを直近2週間ぶん、1日ずつ並べています。お気に入りは、SUUMO では「マイリスト」と呼ばれています。

    他の会社からの問い合わせがあったことも、報告に書いています。

    5つの欄が分かったら、次は手を動かす番です。手元の報告を、実際に欄に写してみましょう。

    第3章:届いた報告を5つの欄に写す——3回分を横に並べて、空欄に印を付ける

    第3章:届いた報告を5つの欄に写す——3回分を横に並べて、空欄に印を付ける

    ここからは、紙とペンを使います。届いた報告を、「自分の家の今」が分かる1枚にまとめる作業です。15分ほどで終わります。

    ▶ 用意するもの

    • 直近3回分の報告(メールなら印刷するか、スマホで画面を保存しておく)
    • A4の紙1枚かノート
    • ペン2色(黒と赤があれば十分)

    まだ報告が2回しか届いていない方は、2回分でかまいません。

    ▶ 手順1:横に3回分、縦に5つの欄の表を作る

    紙の左に①〜⑤の欄の名前を縦に書き、上に「1回目」「2回目」「3回目」と報告の日付を横に書きます。こんな形です。

    欄1回目(9/30)2回目(10/14)3回目(10/28)
    ①活動
    ②数字
    ③他社
    ④内覧
    ⑤次の手

    日付はAさんの例です。ご自身の報告の日付に置き換えてください。

    ▶ 手順2:報告の文を、当てはまる欄に1行ずつ写す

    報告を1通ずつ読み、書いてある文を当てはまる欄に短く写していきます。「SUUMO 詳細ページ 41回」「他社から1件、内覧の問い合わせ」のように、数字と事実だけで十分です。

    やってみると、多くの方が気づくことがあります。「引き続き販売活動を行います」「ご不明な点はお気軽に」といった文は、どの欄にも入らないんです。報告が長く見えても、欄に写せる文が少ないことは珍しくありません。

    ▶ 手順3:空欄に赤で印を付け、数字は「前回より増えたか減ったか」だけ見る

    写し終わったら、何も書けなかったマスに赤で印を付けます。「反響ありました」のように、書いてはあるけれど中身があいまいなものには△を。

    ②数字の欄は、期間の長さ・対象サイト・集計方法が同じかを先に確認し、そろっていれば前回より増えたか、減ったか、同じかの矢印を付けてください。期間中の件数と累計をそのまま比べないようにします。「何件なら良い」という線は、家の種類や価格帯で変わるので、ここでは引きません。数字の深い読み方は、note の「反響の4段」に書いています → 反響の4段と値下げ前の確認(note)

    ▶ 数字が少ないのは、家のせいとは限らない

    大阪市の中古マンションは、2026年9月の成約が383件で、前の年の同じ月の523件より減りました。その一方で、中心6区で新しく売り出された件数は、前の年より37.8%増えています。出典は近畿レインズ「2026年9月度 市況レポート」です。ただし、大阪市全体の成約と中心6区の新規登録では地域の範囲も対象物件も違います。

    この2つの数字だけで、自宅への問い合わせが減った理由を説明することはできません。地域・価格帯・競合する家など、自宅に近い条件を分けて確かめます。0件が続くと「うちの家が悪いのかな」と落ち込みますよね。でもその数字は、家の良し悪しだけでは決まりません。だからこそ①活動や⑤次の手の欄が空いていないかを、先に見ておきたいんです。

    ▶ 期間がそろっていると、前回比が見やすい

    私の報告は、期間を「直近2週間」で切って、日ごとの数字にしています。期間がそろっていれば、「前回より詳しいページを開かれた数が増えた」と比べやすくなるからです。ご自身の報告も、何日から何日までの数字なのかが書いてあるかを見てみてください。期間が書いていなければ、それも空欄の1つです。

    Aさんがこの作業をすると、3回分の表に赤い印が12個並びました。紙を見た夫が「これ、聞いてみたら?」と言ったそうです。でも、聞く前にできることがもう1つあります。次の章では、報告を外の事実と照らし合わせます。

    第4章:3つの窓で照らす——ポータル・レインズ・自分の手帳と、報告は合っているか

    第4章:3つの窓で照らす——ポータル・レインズ・自分の手帳と、報告は合っているか

    担当者に聞く前に、報告の中身は自分でも確かめられます。見る場所は3つ。どれも、売主様が自分で開ける窓です。

    ▶ 3つの窓の早見表

    窓見る場所照らす欄合わないときの例
    窓1 ポータルSUUMO などで自分の家を検索した画面①活動「写真を入れ替えました」とあるのに、写真が前のまま
    窓2 レインズ登録証明書の2次元コードから入る売主様専用の画面③他社対応を確かめる入口頼んだ覚えがないのに「一時紹介停止中」になっている
    窓3 自分の手帳内覧の日、担当者から電話や LINE が来た日のメモ④内覧手帳では内覧2件なのに、報告には書いていない

    3つの窓と5つの欄:ポータルは①活動、レインズは登録内容・取引状況を確認する入口、自分の手帳は④内覧を照らす。他社対応実績・②数字・⑤次の手は担当者に確認

    ▶ 窓1:ポータルで、自分の家を「買う人の目」で見る

    スマホで SUUMO などを開き、自分の家を探してみてください。駅名と間取りで絞れば見つかりやすいです。見るのは、掲載されているか、価格、写真の枚数、写真の並び、掲載文の1行目。

    報告に「写真を入れ替えました」とあれば、本当に変わっているか。「掲載文を見直しました」とあれば、前と違うか。画面を保存しておくと、次の報告のときに比べられます。

    ▶ 窓2:レインズの売主様専用画面で、「取引状況」を見る

    2025年1月1日から、専任・専属専任で売り出している家は、レインズに「取引状況」を登録することになりました。表示は「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3つです。レインズへの登録後に不動産会社から交付される登録証明書には、2次元コードが付いています。売主様はそこから専用の画面に入れます(国土交通省の案内より)。レインズの画面だけでは、他社から何件問い合わせがあり、どう答えたかまでは分かりません。表示は確認の入口として、実際の対応は担当者に聞きます。

    見てほしいのは2つの場面です。1つ目は、売主様が頼んだ覚えがないのに「一時紹介停止中」になっているとき。この表示のあいだは、他の会社が紹介を受けられない状態とされています。2つ目は、「書面による購入申込みあり」なのに、報告で聞いていないとき。購入の申込みがあったら、定期報告を待たずに遅滞なく売主様へ伝えることも、法律(34条の2)で決まっています。

    どちらも、まずは担当者に理由を聞いてみてください。入力の遅れなど、話を聞けば分かることもあります。画面の開き方は、こちらの2本に書いています → レインズ登録を自分で確認する方法 / レインズ登録証明書の見方 。申込みが入ったときの流れは、こちらです → 内覧を止める日と広告掲載を終える日

    ▶ 窓3:自分の手帳に、内覧と連絡の日を書いておく

    住みながら売っている方は、内覧の日に家にいることが多いですよね。手帳やスマホのカレンダーに、内覧の日と、担当者から連絡が来た日を1行ずつ書いておきます。それだけで、報告の④内覧の欄と照らし合わせられます。

    Aさんの手帳には、10月の土曜に内覧が1件ありました。でも報告の④内覧は空欄。これは悪い話ではなく、「書いてもらえれば分かること」が1つ見つかったということです。

    ▶ 私が囲い込みをしないことを、報告でどう見せているか

    私は囲い込みをしません。他の会社から問い合わせや内覧のご依頼があれば通し、そのことを売主様への報告にも書いています。購入の申込みが入っても、他の方の案内を止めるのは、基本は買主様の住宅ローンの事前審査が通ってから。その扱いは、私が見つけた買主様でも、他の会社の買主様でも同じです。これは内覧を止める時期についての当社の進め方です。レインズの取引状況の更新とは別で、書面の購入申込みなどの事実と機構のルールに沿って登録を更新します。私のサイトの取引実績にも、レインズを通じて他社様から購入希望のお客様をご紹介いただき、成約した例があります。

    「囲い込みはしないですか?」と聞かれたら、言葉で答えるより、報告とレインズの画面を見てもらい、他社からの連絡と対応も具体的に説明することが大切だと思っています。

    3つの窓で照らすと、空いている欄の中身がだいぶ絞れてきます。残った空欄は、担当者に聞くしかありません。次の章で、その聞き方を一緒に考えましょう。

    第5章:空いた欄を聞き返す一言——関係を壊さず、数字と事実だけを頼む

    第5章:空いた欄を聞き返す一言——関係を壊さず、数字と事実だけを頼む

    「こんなことを聞いたら、疑っていると思われるかな」。その気持ちを少し軽くするために、空いた欄ごとに担当者へ送れる1文をお渡しします。

    ▶ 前置きは「自分の事情」で頼む

    聞き返すときのコツは、相手を責める形ではなく、自分の事情で頼む形にすることです。たとえば「夫に説明したいので」「家族で次のことを決めたいので」。この前置きがあるだけで、角がぐっと立ちにくくなります。

    20年この仕事をしてきて感じるのは、何を知りたいかを具体的に言ってもらえるほうが、担当者も答えやすいということです。「ちゃんとやってますか?」と聞かれると答えに困りますが、「他社からの問い合わせはありましたか?」なら、ある・ないで答えられますから。

    ▶ ①活動の欄が空いていたら

    「この2週間で、写真や掲載文で変えたところがあれば教えてもらえますか?」

    変えていなければ「変えていません」と返ってきます。それも大事な答えです。

    ▶ ②数字の欄が空いていたら

    「次の報告から、閲覧とお気に入りの数を前回と並べてもらえますか?」

    「次の報告から」と付けると、今すぐ調べてという圧が弱まり、頼みやすくなります。

    ▶ ③他社の欄が空いていたら

    「他の会社さんからの問い合わせや内覧のご依頼は、この2週間でありましたか?」

    聞きにくい質問ですが、事実を聞いているだけなので失礼ではありません。窓2で気になる表示があったときは、「レインズで◯◯と出ていたのですが、どういう状況ですか?」と画面のとおりに聞いてください。

    ▶ ④内覧の欄が空いていたら

    「10月◯日に内覧に来られた方の感想で、聞いている範囲のものがあれば教えてください」

    「聞いている範囲で」と付けておくと、担当者も無理に作らず、聞いた言葉のまま答えやすくなります。

    ▶ ⑤次の手の欄が空いていたら

    「次の2週間で変えることを、1つ教えてください」

    「1つ」と数を決めると、答えが具体的になりやすいです。

    ▶ 送るときの文の例

    5つ全部を一度に送る必要はありません。空欄の多いところから1〜2個を選んでください。Aさんなら、こんな文になります。

    「いつもご報告ありがとうございます。夫に状況を説明したいので、2点教えてください。①他の会社さんからの問い合わせや内覧のご依頼は、この2週間でありましたか?②次の2週間で変えることを1つ教えてください。お手すきのときで大丈夫です。」

    送るのは報告を受け取った翌日から2〜3日のうちに、メールか LINE など文字で残る方法がおすすめです。答えを次の報告の表に書き足していけます。

    ▶ 答えが出てこなかったら

    返事があいまいなまま、空欄が埋まらないこともあるかもしれません。そのときは、疑問が出た時点で担当者に確認してください。特に申込みが報告されていない、身に覚えのない紹介停止がある場合は、満了前まで待たずに確認します。更新を考える相談の時期としては、満了日の1か月前を目安の1つにできます。3回分の表を持って「この欄が見えないまま更新するのは不安です」と伝えます。専任媒介の期間は、法律(34条の2)で最長3か月です。満了日は売り出した日から決めず、媒介契約書に記載された期間で確認します。Aさんが9月中旬に3か月の契約を始めた場合なら、12月中旬の満了に向け、11月中旬を更新相談の目安にする、という例です。

    会社を替えるかどうかは、回答と契約内容、売却の期限を確かめたうえで考えます。手順はこちらに書いています → 不動産会社を替えるときの手順

    ▶ 私の報告では、数字は丸めない

    私の報告の数字は、SUUMO の管理画面に出ているそのままの数で、丸めたり言い換えたりしません。数字が何を意味しているか、次に何をするかは、私が売主様にお話しします。表は事実、読み取りは会話で。この分け方だと、売主様が数字を自分で確かめられます。

    売却の進め方で迷うことがあれば、公式LINEで一言どうぞ。まだ何も決めていなくて大丈夫です。→ 公式LINEで相談する

    ここまでで、報告の読み方・照らし方・聞き方がそろいました。次の章では、よくいただく質問にお答えします。

    第6章:よくある質問——「毎回同じ文」「0件で落ち込む」「遠くて見に行けない」

    第6章:よくある質問——「毎回同じ文」「0件で落ち込む」「遠くて見に行けない」

    売り出し中の売主様から出やすい4つの質問に、短く答えます。自分の場面に近いものから読んでください。

    ▶ Q1「報告が毎回ほぼ同じ文です。手を抜かれていますか?」

    5つの欄が埋まっているかは確認の出発点です。埋まっているだけで活動が十分とは決まらないので、具体的な内容と外から確かめられる事実も見ます。文が同じこと自体は、手抜きの証拠とは限りません。第3章の表に写してみて、空欄が続いている欄があれば、第5章の一言でその欄だけ聞いてみてください。

    ▶ Q2「問い合わせ0件で落ち込みます。うちの家が悪いんでしょうか?」

    0件は、家の良し悪しの結論ではありません。第3章の統計は対象地域などが異なり、自宅の問い合わせが0件である理由を示すものではありません。問い合わせの前には、一覧で見られる・詳しいページを開かれる・お気に入りに入る、という段があります。①活動と②数字の欄を先に見て、どの段で止まっているかを確かめるのが順番です。段の読み方は note「反響の4段」に書いています → 反響の4段と値下げ前の確認(note)

    ▶ Q3「報告が2週間を過ぎても来ません。催促していいですか?」

    催促していいです。専任媒介なら2週間に1回以上の報告が決まりなので、遠慮はいりません。最初は「前回の報告から2週間たちましたが、まだ届いていないようです」と、届いていない事実だけ伝えれば十分です。メールの行き違いということもありますから。

    ▶ Q4「親の家を遠方から売り出し中です。報告だけで判断して大丈夫?」

    3つの窓のうち、窓1のポータルと窓2のレインズは遠くからでも見られます。窓3の代わりに、「内覧の日と件数を、報告に書いてもらえますか?」と頼んでおくと、手帳がなくても④内覧の欄が埋まります。遠方からの売却の進め方は、こちらにまとめています → 遠方から実家を売るときの段取り

    では最後に、今夜からやることをまとめます。

    第7章:まとめ+次のアクション——今夜、報告を1枚だけ5つの欄に写す

    第7章:まとめ+次のアクション——今夜、報告を1枚だけ5つの欄に写す

    記事を閉じたあと迷わないように、覚えておくことと、やることを分けて置いておきます。

    ▶ まとめ(覚えておく3行)

    • 5つの欄:報告は、活動・数字・他社・内覧・次の手の5つが埋まっているかで読む
    • 3つの窓:ポータル・レインズ・自分の手帳で、報告の中身と事実が合っているかを照らす
    • 聞き返す一言:空いた欄だけ、自分の事情を前置きにして、数字と事実を頼む

    ▶ 今日できること(1つ)

    直近の報告を1通だけ、5つの欄に写してください。空いた欄に赤で印を付けたら、今夜はそこから始めてみてください。ただし申込み未報告など気になる事実があれば、その時点で担当者に確認します。

    ▶ 1週間以内にすること

    1. 登録証明書の2次元コードから、レインズの売主様専用画面で取引状況を見る
    2. 印の付いた欄に合わせて、第5章の一言を1つだけ担当者に送る
    3. 媒介契約書で専任媒介の満了日を確認してカレンダーに書き、その1か月前を更新相談の目安として「3回分の報告を並べる」とメモしておく

    ▶ 相談したくなったら

    ここまでの作業は、この記事だけで進められます。そのうえで、売却の進め方について誰かに話してみたくなったら、公式LINEで声をかけてください。

    → 公式LINEで相談する

    送ってもらうのは「物件の種類と区(例:淀川区のマンション)」と「売り出した月」だけで十分です。この先どうするか、まだ決める必要はありません。

    相談には代表の私が2日以内を目安にお返事します。営業電話はしません。

    ▶ 次に読むなら

    おわりに

    ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

    売り出してからの数か月は、思っている以上に気持ちが揺れる時期です。報告メールが届くたびに少し期待して、1行目で肩を落とす。家族に聞かれて、うまく答えられない。そんな夜を何度か過ごしている方も多いと思います。

    報告をよく読むことも、空いた欄を聞き返すことも、担当者を疑うことではありません。大切な家を任せた人と、同じものを見るための作業です。聞いたことにきちんと答えてもらえる関係のほうが、売主様も安心して任せられますよね。

    まずは今夜、報告を1通だけ。5つの欄に写すところから始めてみてください。その1枚が、あなたが自分の言葉で家族に「今はこういう状況」と話せる、最初の材料になりますように。

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