800万円以下の家の仲介手数料|33万円と言われたら確かめること
2026/10/09
「500万円前後ですね。仲介手数料は、800万円以下の特例で33万円(税込)になります」。査定の席でそう言われて家で調べたら、「価格×3%+6万円」の式なら23万円ちょっと。…あれ、10万円も多い?
この記事では、33万円の正体と、自分の価格だと通常の計算といくら違うのかが分かります。大阪市の実家など、800万円以下で売れそうな家をお持ちの方に向けて書きました。媒介契約(不動産会社に売却を頼む契約)の前に担当者へ確かめる4つの質問も、そのまま使える形でお渡しします。
この記事で分かること
・「800万円以下なら33万円」は、2024年7月にできた国の決まりだということ
・自分の価格で「通常の計算」と「特例」がいくら違うかを出す早見表
・安い家でも不動産会社の手間が減らない理由
・媒介契約の前に聞いておきたい4つの質問
・手数料の差より手取りに効くもの、仲介か買取業者かの目安
書いているのは、大阪市淀川区・新大阪で家の「売却」だけを扱っている株式会社ヒーローズプロパティの紙谷一徳です。業界に入って20年、宅地建物取引士として売主様の側で仕事をしてきました。写真撮影も販売図面づくりも内覧の立ち会いも、私が自分でしています。
読みながら「うちの場合は?」と思ったら、公式LINEに一言どうぞ。売るかどうか決める前でも大丈夫です。→ 公式LINEで相談する
目次
第1章:「800万円以下なので33万円です」と言われた理由が分かる
▶ 日曜の夜、2社の査定書を並べて
Aさん(仮名・54歳)の話から始めさせてください。2025年にお母さんが亡くなり、東淀川区の木造2階建ての実家が空き家になりました。築52年、土地は約18坪。東京に住む弟さんとは話がまとまり、遺産分割協議書もできています(数字はすべて例え話のための想定です)。
日曜の夜、夕食を片付けたダイニングで、Aさんは2社の査定書を並べていました。1社は「500万円前後。仲介手数料は特例で33万円(税込)」。もう1社は「仲介だと時間がかかるので、買取業者をご紹介できます」。
弟さんからは「任せるけど、損はしないでね」と言われています。ネットで出てきた計算式と合わない33万円を、弟さんにどう説明すればいいのか。「安い家だから足元を見られてるのかな」。そんなモヤモヤ、すごくよく分かります。
▶ 仲介手数料には、法律で「上限」がある
まず土台の話です。不動産会社が受け取れる仲介手数料には、国が決めた上限があります。もとになっているのは宅地建物取引業法(不動産会社のルールを決めた法律)です。
通常の上限は、売れた価格を3つの段に分けて計算します。200万円までの部分は5%、200万円を超えて400万円までの部分は4%、400万円を超える部分は3%。これに消費税がかかります。ネットでよく見る「価格×3%+6万円」は、400万円を超える家のための近道の式なんです。
▶ 2024年7月1日から、800万円以下の家には別の上限ができた
ここからが本題です。2024年7月1日から、ルールが1つ増えました。売買代金が800万円以下の土地・建物なら、通常の計算を超えて最大30万円(税込33万円)まで受け取れます。国土交通省の資料では「低廉(ていれん=値段が安い)な空家等の媒介の特例」と呼ばれています。
名前に「空家」と入っていますが、対象は「物件価格が800万円以下の宅地建物」です。空き家かどうかで決まるわけではありません。800万円以下かどうかは、査定額ではなく実際に売れた価格(消費税を含まない売買代金)で決まります。査定が500万円でも、850万円で売れれば通常の計算に戻る、ということです。
見落とせない条件がもう1つあります。不動産会社は媒介契約を結ぶときに、あらかじめ報酬の額を説明し、依頼者と合意しておく必要があります。国の通達(法律の運用ルール)に、そう書かれています。黙って33万円を請求していいわけではない、ということですね。
そして「上限」なので、33万円と決まっているわけではありません。30万円の会社も、通常の計算どおりの会社もありえます。なお、国の告示(決まりの本文)には「依頼者から」とあり、売主に限る書き方はしていません。この記事では、売主様の側に絞ってお話しします。
▶ 私もこの特例を使っています
正直に書いておきます。手数料を受け取る側の私も、この特例を使っています。だからこそ、この先の章では「いくら多くなるのか」「そのお金で何をするのか」を、隠さずに並べるつもりです。
Aさんのように「年内に買主を決めて、年を越したい」と考えている方もいると思います。何年分の譲渡所得として申告するかは、原則として引渡日で判断します。ただし、契約の効力が発生した日による申告も認められています。年をまたぐ契約では、使う特例の期限も含めて税務署や税理士さんに確認してください。確定申告の時期は、原則としてその年の翌年2〜3月です。出典:国税庁・譲渡所得の申告期限。
その話は別の記事で詳しく書いています → 大阪市の家、年内に売るか年明けか|税率が変わる人は一部だけ
では、Aさんの500万円だと、通常の計算と特例でいくら違うのか。次の章で、早見表を使って一緒に出してみましょう。
第2章:自分の価格で「通常の計算」と「特例」の差が分かる
▶ 手数料の2列表(早見表)

| 売れた価格 | 通常の上限(税込) | 差額 | 特例の上限(税込) |
| 200万円 | 11万円 | 22万円 | 33万円 |
| 300万円 | 15.4万円 | 17.6万円 | 33万円 |
| 400万円 | 19.8万円 | 13.2万円 | 33万円 |
| 500万円 | 23.1万円 | 9.9万円 | 33万円 |
| 600万円 | 26.4万円 | 6.6万円 | 33万円 |
| 700万円 | 29.7万円 | 3.3万円 | 33万円 |
| 800万円 | 33万円 | 0円 | 33万円 |
※売れた価格は消費税を除いた売買代金、手数料は消費税10%を含む額です。金額はどれも課税事業者の通常の上限と特例の上限を比較したもので、実際の手数料は上限の範囲で説明・合意して決めます。
見てのとおり、安い家ほど差が大きいんです。800万円ちょうどなら通常の計算でも33万円なので差はゼロ。300万円の家だと、17.6万円の上乗せになります。
Aさんの場合、査定は500万円前後。通常の上限は23.1万円なので、言われた33万円との差は9.9万円。「約10万円多い」と感じたのは、計算として合っていたわけです。
▶ 「税込か税別か」をまず確かめる
ここでよくあるすれ違いがあります。担当者が「30万円です」と言ったとき、それが税別(税込33万円)なのか、税込30万円なのか。この差だけで3万円変わります。
査定書や説明のメモに「税込」「税別」が書いていなければ、「それは消費税込みですか?」と1回聞いておくと安心です。
▶ 800万円を超えたらどうなる?
810万円で売れた場合、通常の計算だと約33.3万円(税込)になります。特例の33万円とほぼ同じですね。800万円を超えるあたりからは、「特例かどうか」で手数料はほとんど変わりません。
逆に、査定が800万円前後の方は注意です。売り出してから値下げして800万円以下になると、特例の話が出てくることがあります。媒介契約のときに「800万円を切ったらどうなりますか」と聞いておくと、あとで慌てずにすみます。
▶ 今日やること:2つの数字を書き出す
紙かスマホのメモに、次の2つを書き出してみてください。
1. 査定書に書いてある価格(幅があれば、真ん中の数字)
2. 言われた手数料(税込か税別か、分かる範囲で)
そのうえで早見表の行に当てはめて、「通常なら◯万円、言われたのは◯万円、差は◯万円」と1行にします。Aさんなら「通常23.1万円、言われたのは33万円、差は9.9万円」。これがあるだけで、次に担当者と話すときの落ち着きがまるで違います。
私の収入のだいたい8割は仲介手数料です。言ってみれば、この表は自分の取り分の表でもあります。それでも並べるのは、数字を見せずに「信頼してください」とは言えないからです。
ご自分の家がどれに当たるか分からないときは、LINEで状況を2〜3行送ってください。たとえば「東淀川区の築50年の実家で、査定は500万円前後でした。手数料は33万円と言われたんですが、うちの場合これは普通ですか?」くらいで大丈夫です。→ 公式LINEで相談する
差額は分かりました。では、その上乗せ分は何に使われるお金なのか。次の章で、安い家でも手間が減らない理由を見ていきます。
第3章:安い家でも手間が減らない理由が分かる
▶ 国が特例を作った理由
国土交通省の資料には、見直しの理由がこう書かれています。
「空き家等の流通促進が喫緊の課題となっている一方、宅建業者が空き家等を取り扱うにはビジネス上の課題がある」
喫緊(きっきん)は「急いで取り組むべき」、宅建業者は不動産会社のことです。
かみ砕くと、こういうことです。300万円の家でも3,000万円の家でも、売るためにする作業の量はあまり変わりません。写真を撮って、図面を作って、ポータルサイト(SUUMO などの物件検索サイト)に載せる。内覧に立ち会って、役所で道路や法令の調査をして、契約書をまとめる。なのに通常の計算だと、300万円の家の通常の上限は15.4万円、3,000万円なら105.6万円(税込)。約7分の1になります。
その差を少し埋めるために「媒介に要する費用を勘案して」上限を上げた、というのが特例の考え方です。
▶ 価格で変わらない作業/事情で増える作業

左の箱は、どんな家でもかかる作業です。右の箱は、家によって増えたり減ったりする作業。そして大阪市の800万円以下の家は、右の箱に当てはまることが多いんです。
たとえば、前の道が私道で、通行や掘削(水道管工事などで道を掘ること)の承諾をどう取るかを調べる。長屋で、隣とのつなぎ目や境界を確かめる。前の道が4m未満で、どれだけ下がる必要があるか(セットバック)を役所で確かめる。家の中に家具や仏壇が残っていて、片付けの段取りを一緒に考える。売主様が遠くに住んでいて、書類のやりとりを郵送やオンラインで進める。
Aさんの家なら、前の道は4mあるので道の話は少なめ。でも残置物(家に残った家具や荷物)と、弟さんが東京にいることは右の箱に入りそうです。
それぞれの事情は、別の記事で詳しく書いています。
・私道に面した家 → 家の前の道が私道だった|大阪市の戸建てを売る前に見る3枚と、承諾書はいつ取るか
・セットバックが要る家 → セットバックが要る大阪市の家を売る|後退済みかを確かめる順番
・遠方から売るとき → 遠方から大阪市の実家を売る|大阪に来るのは何回?来る日と任せる日
▶ 「安い家は断られる?」と心配な方へ
「査定は出してくれたけど、なんだか後回しにされている気がする」。そんな声を聞くこともあります。手間に対して手数料が少ないと、どうしても力を入れにくい。国の資料が「ビジネス上の課題」と書いているのは、まさにそこです。特例は、そこを手当てするために作られました。
だからといって、特例を使う会社がみんな丁寧、使わない会社が手を抜く、というわけではありません。見てほしいのは、上乗せの分で何をしてもらえるのかを、言葉で説明してもらえるかどうかです。
私の場合、写真撮影も図面や掲載文づくりも内覧の立ち会いも、自分でしています。300万円の家だから写真の枚数を減らす、図面を簡単にする、ということはしません。左の箱の作業は、価格に関係なく同じだけやる。それが特例を使わせてもらう私の側の約束だと考えています。
▶ 今日やること:右の箱に印を付ける
右の箱の5つのうち、自分の家に当てはまるものに印を付けてみてください。印が多いほど、担当者に「その作業はどうしてもらえますか」と聞く材料が増えます。
上乗せの中身が見えてきたら、次はそれを媒介契約の前に確かめる番です。次の章では、担当者に聞く4つの質問をそのまま使える形でお渡しします。
第4章:媒介契約の前に、上乗せの中身と販売活動を確かめられる

ここからは、媒介契約の前に担当者へ聞く「上乗せを確かめる4つの質問」です。「こんなこと聞いていいのかな」と思う必要はありません。数字と作業を正直に説明できる担当者なら、聞かれて困る質問は1つもないはずです。
▶ ①「特例を使う場合と使わない場合、それぞれいくらですか(税込で)」
まずは数字をそろえる質問です。第2章の早見表と同じものを、担当者の口から出してもらいます。税込で答えてもらうと、あとで比べやすくなります。
この質問に、計算の根拠も含めてすっと答えてくれる担当者なら、少なくとも数字を隠すつもりはないと考えてよさそうです。
▶ ②「上乗せ分で、どんな作業をしてもらえますか」
第3章の2つの箱を思い出してください。右の箱に印を付けた事情(私道・長屋・残置物・遠方など)について、具体的に何をしてもらえるのかを聞きます。
「写真を何枚くらい撮りますか」「役所の調査はどこまでしますか」「内覧には毎回来てもらえますか」。答えがふわっとしていたら、「たとえば?」ともう一段聞いてみてください。
▶ ③「レインズとポータルサイトに載せますか。他社から買主の紹介が来たら報告してもらえますか」
レインズは、不動産会社どうしが物件情報を共有する仕組みです。ここに載ると、他の不動産会社にお客さんを抱えている担当者も、あなたの家を紹介できるようになります。
この質問は、お客様がよく口にされる「囲い込みはしないですか?」を、具体的な形にしたものです。囲い込みとは、売却を頼まれた会社が、他社からの購入希望を通さずに物件を抱え込むこと。安い家ほど「自分のところだけで決めたい」という気持ちが働きやすい、という見方もあります。
私は、低い値段の家でもレインズと SUUMO に載せて、他社から来た問い合わせも売主様への報告書に書いています。申込みが入ったあと、ほかの方の案内を止めるのは、基本は買主様の住宅ローンの事前審査が通ってから。その扱いも、私が見つけた買主様か他社の買主様かで変えていません。囲い込みはしません。だからこの質問には「載せます。報告書でお見せします」とお答えしています。
レインズに本当に載っているかを、売主様が自分で確かめる方法もあります → 不動産売却時のレインズ登録は自分で確認できる?透明性と確認手順を詳しく解説
▶ ④「合意しない場合はどうなりますか」
最後に、特例に合意しなかったらどうなるかを聞きます。通常の上限で受けてくれる会社もあれば、「通常の上限では、この家はお受けしにくい」と正直に答える会社もあるかもしれません。
どちらの答えでも、それは1つの答えとして受け取って大丈夫です。肝心なのは、答えを聞いたうえで自分で決められること。合意するかしないかを、その場で急かされる理由はありません。
▶ 答えは書面かメールでもらう
4つの答えは、口頭だけで終わらせず、メールや書面でもらっておくのがおすすめです。複数の会社の答えを並べると、違いがはっきり見えてきます。
Aさんなら、2社の答えを並べた画面を、そのまま弟さんに送れます。「任せるけど、損はしないでね」への返事は、それで十分かもしれません。
査定額が会社によって違うときの並べ方は、こちらの記事で書いています → 査定額が3社で違う大阪市のマンション|媒介契約の前に並べる順番
ここまでで手数料の中身は見えました。でも、手取りに本当に効くのは手数料だけではありません。次の章で、手取りを1枚に並べてみましょう。
第5章:手数料の差より手取りに効くものが分かる
▶ 引き算してみる
Aさんの家が500万円で売れたとします(想定値)。
・売値:500万円
・仲介手数料:33万円(通常の上限なら23.1万円)
・契約書の印紙代、登記などの細かい費用
・→ ここまでの残額は概算。税金・未計上の費用・ローン残債があればその返済も引いて、最終的に残る額を確認します
手数料だけを見ると、特例で約10万円減ります。この10万円が大事なお金であることは間違いありません。ただ、引き算の中にはもっと大きく動く項目があるんです。
▶ 先に壊すか、片付けるかで大きく変わる
1つは解体です。「古い家だし、更地にしたほうが売れるかも」と先に壊すと、木造でも100万円を超える費用がかかることがあります。さらに、建物がなくなると土地の固定資産税を軽くする特例(住宅用地の特例)が外れて、税金が上がる場合があります。
もう1つは残置物の片付け。業者に頼むと費用がかかりますが、どこまで片付けるか、買主様との話し合いで「そのままでいい」となるケースもあります。
長年この仕事をしてきて、何度も見てきた場面があります。手取りを分けたのは手数料の差ではなく、「先に壊したか」「どこまで片付けたか」だった、という場面です。手数料の10万円に悩むなら、同じくらい真剣に、壊す・片付けるの順番を考えてほしいんです。
・空き家に届く通知と、解体の前に考えること → 空き家の通知が届いた大阪市の実家、年内に何を決める?段階と4択
・残置物の片付け → 大阪市の実家を不動産売却する際に残置物を先に処分すると損する3つの理由
▶ 税金:条件が合えば「100万円控除」が使える場合も
売って利益が出ると、譲渡所得(売って得た利益)に税金がかかります。値段の低い土地なら、条件が合えば「低未利用土地等の100万円控除」が使える場合があります。利益から100万円を差し引ける特例です。
大阪市は全域が市街化区域なので、価格の条件は土地とその上の建物等を合わせて800万円以下です。期限は2028年12月31日までの譲渡。ただし、価格だけで決まるわけではありません。売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えること、売却前の利用状況や売却後に利用されること、親族など特別な関係のある相手への売却でないことなどを確認します。ほかの譲渡所得の特例との併用や、過去の分筆にも条件があります。
この控除を受けるには、大阪市が発行する「低未利用土地等確認書」などをそろえて確定申告します。仲介取引では、売却後の利用について仲介会社が確認する書式があります。媒介契約の前に「確認書の申請に必要な書類を用意してもらえますか」と聞いておくと安心です。直接取引用の書式や、通常の書式を提出できない場合の書式もあるため、仲介会社の書類が必ず必要とは限りません。市の確認書だけで控除が確定するわけではないので、使えるかどうかは税務署か税理士さんに確認してください。
出典:大阪市・低未利用土地等の確認書、国税庁・低未利用土地等の100万円控除(2026年10月9日確認)。
▶ 今日やること:手取りの1枚表を作る
売値・手数料・解体・片付け・税金。この5行を紙に並べ、それぞれ「まだ分からない」でもいいので書いてみてください。分からない行が、次に誰かに聞くことのリストになります。
手取りを並べると、「そもそも仲介で売るのか、買取業者に売るのか」が気になってくるかもしれません。次の章で、その目安を見ていきます。
第6章:800万円以下の家で「仲介か、買取業者か」の目安が分かる
▶ 買取業者に売っても、手数料がかかることがある
「手数料が33万円もかかるなら、買取業者に直接売ったほうがいいのでは」。そう考える方もいます。
ただ、買取業者に売るときも、不動産会社が間に入って紹介する形なら仲介手数料はかかります。買取業者に直接売れば手数料はありませんが、そのぶん提示額が仲介で売るときより大きく下がることがあります。買取業者は、買ったあとにリフォームや解体をして売り直すので、その費用と利益を見込んだ値段になるからです。
▶ 3つの目安
手数料の差ではなく、次の3つで考えてみてください。
1. 年内など、決まった時期までに手放す必要があるか:時間の制約が強いほど、買取業者が合いやすくなります
2. 買主様の住宅ローンが付きにくいほど傷んでいるか:たとえば雨漏りや大きな傾き。個人の買主様が見つかりにくいことがあります
3. 片付けや内覧の立ち会いに通えるか:通えないなら、現状のまま引き取ってもらえる買取業者が楽なこともあります
Aさんなら、年内に買主を決めたい気持ちはあるけれど、家は住める状態で、月に2回は通えている。まずは仲介で売り出して様子を見る、という並べ方もできそうです。
▶ 私はどちらかに寄せる理由がありません
私は自社で家を買い取ることはしていません。買取のほうが売主様のためになるときは、少しでも高く買ってくれる買取業者を探します。どちらの道でも、数字を並べてお見せするのが私の役目です。
両方の提示額を受け取ったときの並べ方は、こちらで詳しく書いています → 大阪市の家を業者に売るか仲介か|提示額を受け取ったら並べる5行
ここまで読んでくださったあなたは、もう33万円の正体も、確かめる質問も持っています。最後の章で、今日と1週間でやることをまとめます。
第7章:まとめ+今日からやるべきこと
▶ この記事のまとめ
・「800万円以下なら33万円」は、2024年7月1日にできた国の決まり(低廉な空家等の特例)。最大33万円(税込)の上限で、33万円と決まっているわけではない
・800万円以下かどうかは、査定額ではなく実際に売れた価格で決まる
・特例の額は、媒介契約のときに説明を受けて合意するもの。署名の前に「上乗せを確かめる4つの質問」で確かめる
・差額は安い家ほど大きい(300万円で17.6万円、500万円で9.9万円、800万円で0円)。自分の価格は「手数料の2列表」で出せる
・上乗せは「何に使うお金か」で見る。手取りに大きく効くのは、手数料より売り方・解体・片付け・税金
▶ 今日できること
査定書の価格と、言われた手数料(税込か税別か)を書き出して、第2章の手数料の2列表に当てはめてください。「通常なら◯万円、言われたのは◯万円、差は◯万円」の1行ができたら、今日の分は完了です。
▶ 1週間以内にすること
媒介契約を結ぶ前に、第4章の4つの質問を担当者に聞いてください。答えはメールか書面でもらい、複数の会社に聞いたなら並べて比べます。その1行と4つの答えは、きょうだいなど一緒に相続した家族とも共有しておきましょう。「任せたのに」というすれ違いを防ぎやすくなります。
あわせて、第5章の手取りの1枚表も作ってみてください。書き込める形の表は note にも置いています → 家を売ったら手元にいくら残る?査定書の下に書く「手取りの1枚表」
手数料を「値引き」の目で見る話は、こちらの note で書いています → 「うちは手数料半額です」と言われたら。金額の前に聞く3つの質問
▶ 相談したくなったら
査定書の価格と、言われた手数料の2つを送っていただければ、通常の計算といくら違うかをお返事します。相談したからといって、売る・私に頼むを決める必要はありません。相談には代表の私が2日以内を目安にお返事します。営業電話はしません。
→ 公式LINE(友だち追加)公式LINEで相談する
お電話の場合は 06-6842-7377(10:00〜19:00・水曜定休)へどうぞ。
おわりに
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
実家を売るときに出てくる数字は、どれも「これで合っているのかな」と不安になるものばかりですよね。しかも手数料は、受け取る側の不動産会社に「高くないですか?」とは聞きにくい。その聞きにくさを少しでも減らしたくて、受け取る側の私がこの記事を書きました。
33万円が高いか安いかに、正解はありません。ただ、通常の計算と並べて差を知り、その分で何をしてもらえるのかを確かめてから決める。それだけで、あとから「知らなかった」と思うことはぐっと減るはずです。
家族に数字で説明できる1行と、担当者に聞く4つの質問。まずはその2つを手元に置くところから、始めてみてください。













