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3階建ては売れない?|階段がつらくなった大阪市の家で分ける3つの理由

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3階建ては売れない?|階段がつらくなった大阪市の家で分ける3つの理由

3階建ては売れない?|階段がつらくなった大阪市の家で分ける3つの理由

2026/10/18

3階建ては売れない?|階段がつらくなった大阪市の家で分ける3つの理由

洗濯かごを抱えて3階のベランダまで上がるたびに、「この家、いつまで住めるんやろ」と思う。そんな日が増えてきた方に向けて書きました。

先に答えを3行で

1. 3階建てだから売れない、とは限りません。売れにくさは「建物」「土地」「売り方」の3つの箱に分かれていて、箱ごとに打つ手が違います。

2. 値段の土台を決めるのは「土地の箱」です。前の道の幅と、敷地の広さ・形で、ご自分の家の値段の付き方が大きく分かれます。

3. 今日は、建てたときの書類の封筒(確認済証・検査済証・図面)が家のどこにあるかを確かめるだけで十分です。

書いているのは、大阪市淀川区・新大阪で家の「売却」だけを扱っている株式会社ヒーローズプロパティの紙谷一徳です。業界に入って20年、宅地建物取引士として売主様の側で仕事をしてきました。写真撮影も販売図面づくりも内覧の立ち会いも、私が自分でしています。

読みながら「うちの場合は?」と思ったら、公式LINEに一言どうぞ。売ると決める前でも大丈夫です。→ 公式LINEで相談する

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目次

    第1章:「3階建ては売れない」は半分だけ本当

    第1章:「3階建ては売れない」は半分だけ本当

    「夜中にトイレへ降りる階段が、最近ちょっと怖いねん」

    奥さまにそう言われて、ドキッとしたことはありませんか? そこで調べ始めると、すぐに目に入るのが「3階建ては売れない」という噂です。どこまでが本当で、どこからが思い込みなのか。最初に分けておきましょう。

    ▶ たとえば、こんなご夫婦です

    少し具体的な場面で考えますね(人物も数字も、説明のための例です)。

    Aさん、63歳。定年後の再雇用で2年目、奥さまは61歳でパートに出ています。お子さん2人はもう独立しました。住まいは大阪市東淀川区の木造3階建てです。2001年に建てた家で、敷地は約55㎡、延べ床は約95㎡。1階がガレージとお風呂、2階がリビング、3階に寝室が2つという、大阪市内でよく見る間取りです。前の道は幅4mくらい。ローンはもう払い終わっています。

    寝室が3階なので、夜中のトイレは2階まで降りることになります。洗濯物は1階の洗濯機から3階のベランダまで運ぶ。「まだ住める」と「10年後は無理やろな」のあいだで、決めきれずにいます。

    日曜の夜、2階のリビングでスマホを開いて「3階建て 売れない」と打ってみた。出てくるのは「3階建てを建てて後悔した」という、家を建てる人向けの話ばかり——というのがAさんです。

    ▶ 本当なのは「売れにくい理由がある」ところまで

    噂のうち、本当の部分から先に言いますね。3階建ては、階段が多いぶん、買う人を選ぶ家です。足腰に不安のある方や、ワンフロアで暮らしたい方は、最初から候補に入れません。だから「誰にでも売れる家」ではない。ここまでは本当です。

    でも、「誰にも売れない家」かというと、話はまったく別なんです。

    ▶ 売主様の欠点が、買主様の欠点とは限らない

    Aさんにとっての階段は「つらいもの」です。でも、30代で小さいお子さんがいるご家族から見ると、景色が少し違って見えることがあります。

    駅に近いところで、新築よりも抑えた値段で戸建てを探している。車を家に停めたい。マンションの駐車場代や管理費を払うより、自分の家のガレージがいい。そういう方にとって、1階ガレージの3階建ては「ちょうどいい家」になりやすいんです。階段を、毎日のちょっとした運動くらいに思っている方も少なくありません。

    階段の負担から住み替えを考える売主様と、立地や部屋数を重視する買主様では、同じ家の見方が異なることがあります。同じ階段が、売る側と買う側でまるで違う重さを持っている。この先の値段の話も見せ方の話も、この「重さの違い」から考えていきます。

    ▶ 大阪市に3階建てが多いわけ

    もう一つ知っておいてほしいのは、大阪市内には3階建てが「たくさんある」ということです。1987年の建築基準法の改正で、準防火地域でも木造3階建てを建てられるようになりました。準防火地域は、火事が燃え広がりにくいように決められた地域のことです。狭い土地でも部屋数を取れるので、大阪市のように土地が高くて区画が小さい街では、建てる人が増えました。

    たくさんあるということは、それを探して買う人も、ずっといるということ。大阪市で3階建ては、特別な家ではありません。

    じゃあ、ご自分の家は売れやすいのか、売れにくいのか。それを見分けるために、次の章では売れにくさを3つの箱に分けていきます。

    第2章:売れにくさを3つの箱に分けて、わが家を書き込む

    第2章:売れにくさを3つの箱に分けて、わが家を書き込む

    「うちは売れないかもしれん」。この不安は、頭の中に置いているうちは、ずっとぼんやりしたままです。紙に書き出すと、どこが本当の問題で、どこは気にしなくていいのかが見えてきます。ペンを1本用意して、読みながら書き込んでみてください。

    ▶ 用意するもの(2つ)

    ・建てたときの書類の封筒(確認済証・検査済証・図面)。なければ、ないことが分かるだけで十分です

    ・固定資産税の通知書(毎年春に届く、土地と建物の広さが書いてある紙)

    確認済証は、建築計画が建築基準関係規定に適合すると確認されたことを示す書類です。検査済証は、工事完了時の検査で適合が確認されたことを示します。現在の増改築部分まで含めて、適法性や不具合がないことを保証するものではありません。どちらも家を売るときに、買主様や銀行から聞かれやすい書類なんです。

    売れにくさを建物・土地・売り方の3つに分ける図。建物は状態を開示し修繕・融資条件を確認。土地は法上の道路・接道などを確認し、4m・2mだけで再建築を判断しない。売り方は成約事例・写真・内覧順を見直す

    ▶ 建物の箱——隠す箱ではなく、書いて渡す箱

    1つ目は、家そのものの箱です。次の5つに、○(問題なし)・△(気になる)・×(困っている)を付けてみてください。

    建物の箱○△×メモ
    階段の数と、寝室が何階か例:寝室は3階
    建てた年例:2001年
    雨漏り・床の傾き・シロアリの跡気づいた場所
    建てたときの書類(確認済証・検査済証・図面)があるか封筒の場所
    直したところの記録(屋根・外壁・給湯器など)年と場所

    ここで知っておいてほしいのは、建物の箱は「隠す箱」ではないということです。

    私は売却のとき、2枚の書類を売主様と一緒にできるだけ細かく書きます。1枚は物件状況確認書(雨漏りや傾きなど、家の状態を書いて買主様に渡す書類)。もう1枚は付帯設備表(エアコンや給湯器などの設備が使えるかを書く書類)です。知っていることを書いて渡しておけば、買主様は納得して買えますし、売ったあとの「聞いてない」も起きにくくなります。だから×が付いても大丈夫。×は「書く場所が決まった」という印です。

    書類の封筒が見つからない方は、こちらの記事で探し方と、なくても売れる道を書いています → 検査済証がない大阪市の戸建てを売る|買主のローンから逆算して取る2枚

    ▶ 土地の箱——値段に織り込む箱

    2つ目は土地の箱です。正直に言うと、値段にいちばん効くのはここです。

    土地の箱○△×メモ
    前の道の幅(4m以上あるか)例:4m前後
    前の道の種類(市の道か、私道か)分からなければ「?」
    道に接している長さ(2m以上あるか)
    敷地の広さ通知書の数字
    敷地の形(四角か、旗のような形か)

    建築基準法では、敷地は原則として建築基準法上の道路に2m以上接する必要があります。道路の幅は原則4m以上ですが、4m未満でも法上の道路に当たり、後退が必要な場合があります。見た目の道幅が4m以上あるだけでは、法上の道路とは限りません。また、接道を満たしていても、用途地域や容積率、防火規制など、ほかの建築条件も確認しなければ、建て替えられるとは判断できません。買主様にとって「いつか建て替えられるかどうか」は大きいので、ここが値段に直結します。細かな例外もあるので、ご自分の家がどうかは、査定のときに不動産会社に役所で確かめてもらってください。(参考:大阪市「敷地と道路との関係について」)

    ただ、土地の箱は売主様の力ではほとんど変えられません。だから「直す」のではなく、「値段に正しく織り込む」箱だと考えてください。道の幅が4mに足りない、私道に面している、という方も、売れないわけではありません。その分を値段と説明にきちんと入れて、分かったうえで買ってもらう。それがいちばん揉めない売り方です。

    ▶ 売り方の箱——ただ1つ、変えられる箱

    3つ目は売り方の箱です。

    売り方の箱○△×メモ
    値段を何と比べて決めるか新築と比べていないか
    写真(各階が明るく写っているか)
    内覧(どの階から見せるか)

    この箱だけは、売主様と不動産会社の工夫で変えられます。同じ家でも、値段の付け方と見せ方で、問い合わせの来方がかなり変わります。第3章で値段、第4章で見せ方をくわしく書きますね。

    ▶ ×を数えて、どの箱かを知る

    書き終わったら、箱ごとに×と△を数えてみてください。

    ・建物の箱に×が多い:状態を調べ、分かっていることを書いて渡す。書けば必ず売れるわけではなく、修繕の要否や買主様の融資条件も確認する

    ・土地の箱に×が多い:値段に織り込む。比べる相手を正しく選ぶのが先(第3章)

    ・売り方の箱に×が多い:いちばん手を打ちやすい。見せ方を決める(第4章)

    Aさんの家なら、建物の箱は「寝室が3階」に△、書類は封筒が見つからず×。土地の箱は、道が4mくらいに見えても、幅と法上の道路の種類が未確認なので、ひとまず「?」(査定のときに資料と役所で確かめます)。売り方の箱はまだ白紙、という具合です。これだけで、「うちは売れない」が「書類を探して、値段の比べ方を知ればいい」に変わります。

    ここまで書き込んでみて「この×、うちの場合はどう考えたらいい?」と思ったら、公式LINEで聞いてください。チェック表の写真を1枚送ってもらえると、どの箱の話かを一緒に見られます。→ 公式LINEで相談する

    箱が分かったら、次は「いくらで売れるのか」です。値段の決まり方を、次の章で一緒に見ていきましょう。

    第3章:狭い土地の3階建ては、土地と建物でどう値段が決まるか

    第3章:狭い土地の3階建ては、土地と建物でどう値段が決まるか

    「で、うちはいくらで売れるんやろ」。チェック表を書き終えると、次に浮かぶのはこの一言だと思います。答えに入る前に、1つだけほどいておきたい思い込みがあります。比べる相手を正しく選べると、業者さんの提示額にも振り回されにくくなります。

    ▶ 近所の新築チラシと比べない

    ポストに入っている新築3階建てのチラシ。「同じくらいの広さで4,000万円台か。うちも、それくらいかな」と思ったことはありませんか?

    気持ちはすごく分かります。でも、新築の値段には、新しい建物の値段と、売る会社の利益が入っています。築25年の家とは、中身が違うんです。新築と比べて値段を付けると、問い合わせが来ないまま、月日だけが過ぎていきがちです。

    ▶ 値段は「土地+建物の残り」の積み木

    中古の戸建ての値段は「土地の値段」の上に「建物の残り」が乗った積み木。建物のブロックは築年とともに小さくなるが、築20年を超えても手入れの記録がある家は残ることもある

    中古の戸建ての値段は、ざっくり言うと「土地の値段」の上に「建物の残りの値段」が乗った積み木です。

    木造の建物は、築20年を超えると値段を小さく見られやすいです。ただ、ゼロになるとは限りません。雨漏りがない、手入れの記録がある、設備が動く、という家は、建物のブロックがちゃんと残ることもあります。税金の決まりでは、木造の住宅の耐用年数は22年とされています。ただ、これは税金の計算のための年数で、売れる値段とは別の話です。「22年を過ぎたら建物はゼロ」とは考えなくてかまいません。

    狭い土地の3階建ては、土地のブロックが小さいぶん、建物のブロックの残り方が値段に効きやすい家でもあります。第2章の建物の箱を「書いて渡す」ことが、ここでつながってきます。

    ▶ 比べる相手は「同じくらいの築年の中古の成約」

    じゃあ、何と比べればいいのか。答えは、近くで実際に売れた、同じくらいの築年・広さの中古の戸建てです。

    国土交通省の「不動産情報ライブラリ」というサイトで、実際に取引された価格を地域と時期で調べられます。やり方は大まかに次のとおりです。

    1. 不動産情報ライブラリ( 不動産情報ライブラリ )を開く

    2. 価格の情報を選び、地域を「大阪市東淀川区」のようにご自分の区にする

    3. 種類は土地と建物がセットの取引にし、時期は直近の1〜2年にする

    4. 建てた年と広さがご自分の家に近いものを3件選んで、メモに写す。同じ区の中でも、最寄り駅が同じか近いものを選ぶと比べやすくなります

    ポイントは「売り出している値段」ではなく「実際に売れた値段」を見ることです。ポータルサイトに出ている値段は売主様の希望なので、その値段で売れたとは限りません。

    ▶ 値段が大きく動く土地の例

    土地の箱で×や「?」が付いた方は、次の記事も見てみてください。どれも、値段と説明の仕方が変わるポイントです。

    ・前の道が私道だった方 → 家の前の道が私道だった|大阪市の戸建てを売る前に見る3枚と、承諾書はいつ取るか

    ・道が狭くて、建て替えのときに下がる必要がある方(セットバック) → セットバックが要る大阪市の家を売る|後退済みかを確かめる順番

    ・道に2m接していない、建て替えができない土地の方 → 大阪の再建築不可を高く売る方法!損しない売却・買取相場解説

    ▶ 査定のときは「内訳」を聞く

    不動産会社に査定を頼んだら、合計の金額だけでなく「このうち土地はいくらで、建物はいくらと見ましたか?」と聞いてみてください。内訳が分かると、建物の手入れがどれだけ値段に効いているかが見えます。

    売った後に手元にいくら残るかまで知りたい方は、note に1枚の表にまとめています → 家を売ったら手元にいくら残る?査定書の下に書く「手取りの1枚表」

    値段の見当がついたら、次は「どう見せるか」です。階段の多い家の見せ方を、次の章でお話しします。

    第4章:階段の多い家を、写真と内覧でどう見せるか

    第4章:階段の多い家を、写真と内覧でどう見せるか

    階段が弱点だと思うと、つい「どう隠すか」を考えたくなります。でも、隠さなくて大丈夫です。写真の撮り方と内覧の順番で、階段の印象はかなり変わります。住みながら売るなら何をどこまで片づけるかまで、具体的に書きますね。

    ▶ 買主様が見ているところ

    内覧に来た子育て世代のご家族が、3階建てで気にされやすいのは、たとえば次の4つです。

    ・2階のリビングが明るいか(3階建てはリビングが2階にあることが多く、ここが家の顔になる)

    ・3階の寝室の広さと、ベランダからの光

    ・1階ガレージに、車がスムーズに出し入れできるか

    ・階段の幅と、手すりがあるか

    4つのうち3つは、階段そのものではなく「階段を上った先に何があるか」です。見せ方を考えるときの軸も、ここに置きます。

    ▶ 写真は「各階の居室を明るく」が先

    SUUMO などのポータルサイトで、買主様は最初に写真で家を見比べます。3階建ての写真で優先したいのは、各階の居室を明るく撮ることです。

    ・撮るのは晴れた日の昼。カーテンを開けて、照明も全部つける

    ・2階のリビングは、窓を背にせず、窓が写る向きで撮る

    ・3階の寝室は、ベランダの窓と一緒に撮って広さを見せる

    ・1階ガレージは、車を出した状態で、奥行きが分かるように撮る

    ・階段は、段に物を置かない状態で、明かりをつけて1枚

    私は写真撮影も図面づくりも掲載文も、自分でしています。だから「この家はリビングの光を先に見せましょう」と売主様と決めたことを、撮影から内覧まで同じ考えで続けられます。

    ▶ 内覧は2階のリビングから見てもらう案も

    内覧の順番も、見せ方の一つです。たとえば、買主様の足腰や安全、間取りを確認したうえで、玄関からまず2階のリビングへ上がってもらう案があります。明るい部屋で一息ついてもらってから、3階の寝室とベランダへ。1階のガレージとお風呂は、帰りに見てもらいます。こうすると、階段の上り下りが「部屋と部屋のあいだの移動」に見えやすくなります。

    1階のガレージ横の暗い廊下から長く見せると、狭さが先に印象に残りがちです。内覧の早い段階で、いちばん明るい部屋を見てもらうのも一つの方法です。

    ▶ 住みながら売るなら、3階の寝室をどこまで片づけるか

    Aさんのように住みながら売る場合、全部をきれいにする必要はありません。片づけるのは次の3つで十分です。

    1. 3階の寝室の床に置いてある物(布団は畳んで押入れへ、床が見える面積を広く)

    2. 階段の段の上や手すりに掛けている物(上り下りの安全のためにも)

    3. ベランダの物干しの洗濯物(内覧の日だけは取り込んでおく)

    内覧の当日に売主様がすること・しないことは、note にまとめています → 内覧の当日、売主は家にいていい?立ち会う私が分ける「する・しない・任せる」

    住みながら売るときの全体の注意は、こちらの記事でも書いています → 【大阪市】居住中の不動産売却!高値で売るための5つの秘訣とは

    ▶ 手すりの後付けやリフォームは、慌てて決めない

    「階段に手すりを付けたほうが売れますか?」と聞かれることがあります。私は、売る前のリフォームは基本的にはおすすめしていません。買主様は自分好みに直したい方も多く、かけた費用ほど値段に乗らないことがあるからです。

    ただ、雨漏りや大きな汚れは別です。内覧で「この家、大丈夫かな」と思われるところだけは、最低限直しておくほうがいいこともあります。どこまでやるかは、家を見てから一緒に決めましょう。直すと何か月遅れるかは、こちらの記事で数えています → リフォームしてから売ると何か月遅れる?|大阪市の家で数える工期とお金

    見せ方が決まったら、最後は「いつ売り出すか」です。次の章で、住める年数から逆に数えてみましょう。

    第5章:住める年数から、売り出す月を逆に数える

    第5章:住める年数から、売り出す月を逆に数える

    「いつか売らなあかんな」。そう思いながら、気づけば1年たっていた。階段の家に住む方には、そんな方も少なくないと思います。ここでは、その「いつか」を「◯月に売り出す」に変えます。カレンダーを1つ用意して、右端から左へ向かって書いていきます。

    ▶ 階段の逆算表

    階段の逆算表。Aさんの例で、右端の「引っ越したい月」2027年5月から左へ、引渡し5月、売買契約3〜4月、売り出し12月〜(仮に売れるまで3か月と置く)、準備11月(書類探し・査定・媒介契約・写真で2〜4週が目安)と数える

    逆算表は、次の5段です。

    1. あと何年、この階段で暮らせそうか:夫婦で話して決める。「あと3年」「来年の夏まで」くらいの粗さでかまいません

    2. 引っ越したい月:1から決める。暑さや寒さ、お子さんやお孫さんの予定も見て

    3. 引渡し:売買契約から1〜2か月後になることが多いです

    4. 売り出し:売れるまでの期間は、家と値段の付け方で大きく変わります

    5. 準備:書類探し・査定・媒介契約(売り出しを不動産会社に任せる契約)・写真で、2〜4週くらいが目安です

    売れるまでの期間がどう決まるかは、note の「3つの時計」でくわしく書いています → 家を売るのは何か月?答えは「3つの時計」で決まる

    ▶ Aさんの場合で書いてみる

    Aさんご夫婦は、話し合って「暑くなる前、2027年の5月には引っ越したい」と決めたとします。

    ・引っ越したい月:2027年5月

    ・引渡し:5月

    ・売買契約:3〜4月(引渡しの1〜2か月前)

    ・売り出し:仮に、売れるまで3か月と置くと、12月〜1月

    ・準備:11月から書類探しと査定

    こう書くと、「今日から何をするか」がはっきりしますよね。仮置きの3か月は、家によって短くも長くもなります。だからこそ、準備は少し早めに始めておくと、慌てずに済みます。

    ▶ 住みながら売るか、先に引っ越すか

    住みながら売るなら、新しい住まいの費用と今の家の維持費が重なる期間を短くできます。家具が置いてあるので、暮らしの様子も伝わります。そのぶん、内覧の日は家を空けたり片づけたりする手間があります。

    先に引っ越すなら、内覧は自由にできますが、空いた家の固定資産税・火災保険・換気や掃除の手間が続きます。

    先に引っ越す場合に知っておいてほしいのが、税金の特例の期限です。自分が住んでいた家を売ったときに使える、3,000万円の特別控除という特例があります。売って出た利益から、3,000万円まで差し引ける特例です。国税庁の案内では、以前に住んでいた家も、次の期限までに売れば対象になるとされています。「住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日まで」です。たとえば2026年11月に引っ越したなら、その家の期限は2029年12月31日です。ほかにも条件があるので、使えるかどうかは税務署か税理士さんに確かめてください。(参考:国税庁「マイホームを売ったときの特例」)

    期限には3年以上の幅があります。先に引っ越したからといって、焦って値段を下げなくて済みます。

    ▶ 業者に買い取ってもらう道も、仕組みで知っておく

    「すぐ買います」というチラシを見て、電話しようか迷っている方もいると思います。買取は、不動産会社が自分で家を買う方法です。一般の買主様に何度も内覧してもらう手間を減らし、早く進められる場合があります。ただし、買取業者による現地確認や調査は通常必要です。

    一方で、業者さんは買った家を直して売り直すので、その工事費と売り直すときの利益を引いて値段を出します。だから、買主様を探す仲介より、額は下がりやすい。これは業者さんが悪いのではなく、そういう仕組みなんです。

    私は自社では買い取りません。買取を望まれるときや、買取のほうが売主様のためになるときは、高く買ってくれる業者を探します。そのうえで、仲介で売る場合の見込みと並べてお見せします。並べ方はこちらの記事に書いています → 大阪市の家を業者に売るか仲介か|提示額を受け取ったら並べる5行

    ▶ 親が3階建てに住んでいる方へ

    この記事を、親御さんの家のことで読んでいる方もいるかもしれません。年末年始に帰って、お父さん・お母さんが階段を手すりにつかまりながら降りてくるのを見ると、胸がきゅっとしますよね。

    そのときは「売ったら?」から話を始めるより、「あと何年この階段で暮らせそう?」と逆算表の1段目から聞いてみてください。決めるのは親御さんです。親御さんが施設に入られたあとの実家のことは、こちらにまとめています → 老人ホームに入った親の実家、3,000万円控除が使えるのは3年目の年末まで

    ここまでで、3つの箱と逆算表がそろいました。最後に、「うちの場合は?」と聞かれやすい質問に答えておきますね。

    第6章:よくある質問

    第6章:よくある質問

    ▶ Q. 「いくらで売れますか?」 築25年の3階建ては、土地の値段だけになりますか?

    土地の値段だけになるとは限りません。分かれ目は建物の状態です。雨漏りがなく、手入れの記録が残っている家は、建物の値段が残ることもあります。第3章で書いたとおり、査定のときに「土地と建物の内訳」を聞くと、ご自分の家の建物がどう見られているかが分かります。

    ▶ Q. 「どのくらいで売れますか」 階段がつらくても、売れるまで住み続けられますか?

    はい、住みながら売ることはできます。売れるまでの期間は家と値段の付け方で変わるので、第5章では仮置きの数字で逆算しました。引渡しの日は、買主様と話し合って決めます。新しい住まいとの順番が気になる方は、逆算表の「引っ越したい月」から書いてみてください。住宅ローンが残っている方は、こちらの記事も合わせてどうぞ → 【大阪】ローン残債がある家の不動産売却!安全に売る手順と対策

    ▶ Q. 業者に買い取ってもらうほうが早いですか?

    早いことが多いです。ただ、額は下がりやすいので、急ぐ理由があるかで決めるのがいいと思います。入院や施設への入所が決まっている、空き家の管理がもう難しい、という方には買取が合うこともあります。私は自社では買い取りません。仲介と買取の両方の数字を並べてお見せして、売主様に選んでいただきます。

    ▶ Q. 「囲い込みはしないですか?」

    しません。囲い込みは、売却を任された物件を自分の会社で抱え込み、他の不動産会社から来た購入希望を通さないことです。私は、他の不動産会社を通じて来た買主様にも同じ資料を渡し、同じ条件でご案内します。売主様への報告書には、他社からの問い合わせも書いています。レインズ(不動産会社どうしで物件情報を共有する仕組み)経由で、他社様から購入希望のお客様をご紹介いただいたこともあります。そのまま成約につながりました。3階建ては買う人を選ぶ家だからこそ、窓口を狭めないことが大事だと考えています。

    第7章:まとめと、記事を閉じた後にすること

    第7章:まとめと、記事を閉じた後にすること

    最後に、この記事で渡した道具を2つだけ振り返って、今日からの行動を決めましょう。

    ▶ まとめ

    ・3階建ての売れにくさは「建物(書いて渡す)」「土地(値段に織り込む)」「売り方(変えられる)」の3つの箱に分けて見る

    ・いつ売り出すかは、「あと何年この階段で暮らせるか」から逆算表で数える

    ▶ 今日できること(1つ)

    建てたときの書類の封筒(確認済証・検査済証・図面)が、家のどこにあるかを探してください。押入れの奥、仏壇の引き出し、書斎の棚の上など、大事な書類をしまう場所から見ていくと見つかりやすいです。見つからなくても、「ない」と分かれば第2章のチェック表に×を付けて、今日はそこまでで十分です。

    ▶ 1週間以内にすること(3つ)

    1. 夫婦で「あと何年、この階段で暮らすか」を話す

    2. 不動産情報ライブラリで、近い築年の戸建ての取引を3件見てメモする

    3. 第2章のチェック表を書き切って、箱ごとに×を数える

    ▶ 相談したくなったら

    チェック表を書いてみて「うちは、どの箱がいちばん効いてるんやろ」「この逆算で間に合う?」と思ったら、公式LINEで聞いてください。

    → 公式LINEで相談する

    送ってもらえると話が早いのは、チェック表の写真と、家のある区と町名です。相談したからといって、売る・私に頼むを決める必要はありません。

    相談には代表の私が2日以内を目安にお返事します。営業電話はしません。

    おわりに

    最後まで読んでくださって、ありがとうございます。

    階段がつらくなった家は、手放すのがさみしい家でもあると思います。お子さんが駆け上がっていった階段、3階の窓から見た花火。大事に住んできた家だからこそ、「売れない」と言われるとつらいですよね。

    でも、その階段のある家を「ちょうどいい」と思って探しているご家族は、ちゃんといます。慌てず、安く手放さず、次の家族にきちんと渡す。そのために、今日は封筒を1つ探すところから始めてみてください。

    次に読むなら

    ・大阪市の家を業者に売るか仲介か → 大阪市の家を業者に売るか仲介か|提示額を受け取ったら並べる5行

    「すぐ買います」の提示額を受け取って、仲介と比べたい方に

    ・査定額が3社で違う大阪市のマンション → 査定額が3社で違う大阪市のマンション|媒介契約の前に並べる順番

    査定を頼んだあと、金額の違いをどう読むか知りたい方に(戸建ての方にも、比べ方の考え方は同じです)

    ・大阪の不動産売却の期間は? → 大阪の不動産売却の期間は?早く売るための具体的な流れと短縮法

    売り出しから引渡しまで、全体でどのくらいかかるかを知りたい方に

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